...「しまったッ」からりと槍(やり)の柄(え)をすてた清兵衛(せいべえ)は...
安藤盛 「三両清兵衛と名馬朝月」
...果して夕立はからりと霽(は)れ上つてゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...併し其暴風雨の跡はからりと晴れて今朝になつて見ると佐野の高慢もそれ程もう癪に障らぬ...
高濱虚子 「俳諧師」
...もうからりと晴れたいつもの笑ひやうである...
高濱虚子 「俳諧師」
...……気まぐれな梅雨の空が午時分からからりと晴れて...
田中貢太郎 「蛾」
...あぶないきたない仕舞湯であたゝまる・からりと晴れた朝の草鞋もしつくりなか/\よい宿だが...
種田山頭火 「行乞記」
...からりとして生きて行け...
種田山頭火 「其中日記」
...地方の中学にからりに好い口があって世話しようとした先輩があったが...
寺田寅彦 「まじょりか皿」
...梢(こずえ)はからりと明(あかる)く...
永井荷風 「監獄署の裏」
...ここでからりと心持が変って...
中里介山 「大菩薩峠」
...自然(しぜん)は始(はじ)めて自己(じこ)の滿足(まんぞく)を得(え)た樣(やう)にからりと快(こゝろ)よい空(そら)を拭(ぬぐ)うて暑(あつ)い日(ひ)の光(ひかり)を投(な)げ掛(か)ける...
長塚節 「土」
...赭(あか)く燒(や)けた杉(すぎ)の木(き)を控(ひか)へてからりとした庭(には)は...
長塚節 「土」
...からりとした玄関先を控えて...
夏目漱石 「門」
...その日からりよは四ツ木へ商売に来るやうになり...
林芙美子 「下町」
...其處らが廓然(からり)となる...
三島霜川 「平民の娘」
...すると弟の目の色がからりと變つて...
森林太郎 「高瀬舟」
...からりっと、柄杓の柄が、桶の縁(ふち)に鳴った...
吉川英治 「上杉謙信」
...かえって彼をからりと定着させていたのだろうか...
吉川英治 「私本太平記」
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