...釣師の偵察隊彼方(かなた)此方(こなた)にて...
石井研堂 「東京市騒擾中の釣」
...野はいま一色(ひといろ)に物悲しくも蒼褪(あをざ)めし彼方(かなた)ぞ...
伊東静雄 「詩集夏花」
...遥(はる)か彼方(かなた)に...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...アイネーアースまたかなた...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...彼方此方(かなたこなた)に大きな海岸の巖石を据ゑ立てゝ...
永井荷風 「新歸朝者日記 拾遺」
...やがて彼方(かなた)に伊予橋...
永井荷風 「雪の日」
...飛び抜けて彼方(かなた)の立木を後ろに平青眼...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうして海を眺める――海の彼方(かなた)は伊勢の国...
中里介山 「大菩薩峠」
...遂に神秘のヴェールの彼方(かなた)に隠されたまま...
中谷宇吉郎 「イグアノドンの唄」
...かくて文化的活動はつねに現實性への方向を取りつつしかもつねに目的地を絶えず移動する地平線のかなたに求めねばならぬ...
波多野精一 「時と永遠」
...さらにはそれを超(こ)えたかなたにまで連れてゆく...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...人が来はしないかとくらい星あかりのしたやや白い道路のかなたを眺めたりした...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...前者は事故のかなたにあるものだ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼は粉雪のかなたをぼんやりとみつめてい...
山本周五郎 「薊」
...みよはそのお心を決して忘れませぬ」そのとき襖(ふすま)のかなたで...
山本周五郎 「日本婦道記」
...すばらしく大きな古い麦藁(むぎわら)帽子をかぶって身動きもせずにじっと遠く沖のかなたを見戍(みまも)っていた...
山本周五郎 「麦藁帽子」
...すでに営中の彼方此方(かなたこなた)で...
吉川英治 「新書太閤記」
...そして彼方(かなた)に木剣を提(ひっさ)げて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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