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石川啄木 「一握の砂」
...かなしむごとき風情なり...
田澤稲舟 「五大堂」
...……雲白く遊子かなしむ……旅情あらたに切なるを感じた...
種田山頭火 「旅日記」
...文学の途をゆくことになっているわたしは机に向かって本を読むあるいは書こうとする けれども書けないわたしはうっ伏して足りない才能をかなしむ心はたぎっても現わせないわたしは本を伏せ インクのふたも忘れて外へ飛び出す友だちのところではなす一日一日は過ぎてゆくばかり怒った父はいま手紙をくれ...
中野鈴子 「方向」
...かくて私の生活は官能的にも頽廢の薄暮をかなしむであらう...
萩原朔太郎 「青猫」
...ああ狼のきたるによりわれはいたく怖れかなしむわれはわれの肉身の裂かれ鋼鐵(はがね)となる薄暮をおそるきけ淺草寺(せんさうじ)の鐘いんいんと鳴りやまずそぞろにわれは畜生の肢體をおそる怖れつねにかくるるによりなんぴとも素足をみずされば都にわれの過ぎ來し方を知らずかくしもおとろへしけふの姿にも狼は飢ゑ牙をとぎて來れるなり...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...ああわれはおそれかなしむまことに混鬧の都にありてすさまじき金屬の疾行する狼の跫音(あのと)をおそる...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...かなしむものの一念に...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...親の顔に泥をぬるといって怒りかなしむのは...
羽仁もと子 「親子の愛の完成」
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原民喜 「かげろふ断章」
...無明長夜の燈炬なり智眼くらしとかなしむな生死大海の船筏なり罪障おもしとなげかざれと彼は讃詠するのである...
三木清 「親鸞」
...恋に陥ちておるのでござります」「かなしむことはあるまい...
吉川英治 「江戸三国志」
...とき建安十九年十一月の冬、天もかなしむか、曇暗許都の昼を閉じ、枯葉の啾々(しゅうしゅう)と御林に哭(な)いて、幾日も幾日も衙門(がもん)の冷霜は解けなかった...
吉川英治 「三国志」
...かなしむどころか...
吉川英治 「私本太平記」
...何をさようにかなしむのか」「桶狭間(おけはざま)の御合戦のみぎり……またその後も折々...
吉川英治 「新書太閤記」
...さびしさに嘆く時、かなしむ時、その氷柱や棘は、心を刺す...
吉川英治 「親鸞」
...颯々(さっさつ)と世の無常をかなしむ松風の奏(かな)でと変ってゆく...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ひとの幸福をともによろこびひとの不幸をともにかなしむといふことばであつた...
吉野秀雄 「ひとの不幸をともにかなしむ」
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