...長塚しきりに恋いかなしむ...
伊藤左千夫 「滝見の旅」
...また実にかなしむべきものであった...
海野十三 「第四次元の男」
...……雲白く遊子かなしむ……旅情あらたに切なるを感じた...
種田山頭火 「旅日記」
...ああ狼のきたるによりわれはいたく怖れかなしむわれはわれの肉身の裂かれ鋼鐵(はがね)となる薄暮をおそるきけ淺草寺(せんさうじ)の鐘いんいんと鳴りやまずそぞろにわれは畜生の肢體をおそる怖れつねにかくるるによりなんぴとも素足をみずされば都にわれの過ぎ來し方を知らずかくしもおとろへしけふの姿にも狼は飢ゑ牙をとぎて來れるなり...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
......
三好達治 「測量船拾遺」
...この人たちはどんなにかなしむことであろう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...少しもかなしむ事はなきもの也...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...この生命(いのち)の短きをかなしむ...
吉川英治 「上杉謙信」
...恋に陥ちておるのでござります」「かなしむことはあるまい...
吉川英治 「江戸三国志」
...友人としてかなしむ中にも腹が立つ...
吉川英治 「折々の記」
...大遠忌をかなしむだらう...
吉川英治 「折々の記」
...とき建安十九年十一月の冬、天もかなしむか、曇暗許都の昼を閉じ、枯葉の啾々(しゅうしゅう)と御林に哭(な)いて、幾日も幾日も衙門(がもん)の冷霜は解けなかった...
吉川英治 「三国志」
...かなしむような声すらも...
吉川英治 「私本太平記」
...何の力も策もない身をかなしむだけでございまする」「だが...
吉川英治 「私本太平記」
...いたずらに彼の屠腹(とふく)をかなしむのではない...
吉川英治 「新書太閤記」
...さびしさに嘆く時、かなしむ時、その氷柱や棘は、心を刺す...
吉川英治 「親鸞」
...颯々(さっさつ)と世の無常をかなしむ松風の奏(かな)でと変ってゆく...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ひとの不幸をともにかなしむ」でなくてはなるまいと...
吉野秀雄 「ひとの不幸をともにかなしむ」
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