...そうして人間の生活になにがしかの貢献をすると同時に自己がかつてこの世に生存していたという実証を残す...
寺田寅彦 「柿の種」
...かつて中国茶の取引に使われていたが...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「グローリア・スコット号」
...私が預かつてアパアトで養ふことにした...
中島敦 「かめれおん日記」
...かつて彼が使っていた若者を冷(ひやか)しながら...
新渡戸稲造 「自警録」
...まんざら無理ぢやないとわかつて下さるでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ああ 過去の私の鬱陶しい瞑想から 環境からどうしてけふの情感をひるがへさうかつてなにものすら失つてゐない...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...剩つた米を安くかつて米店をはじめたり...
長谷川時雨 「花火と大川端」
...白い顔をした男が鏡にむかつてネクタイを結んでゐる...
原民喜 「二つの死」
...かつてルパンに盗まれて...
モーリス・ルブラン Maurice Leblanc 婦人文化研究会訳 「探偵小説アルセーヌ・ルパン」
...かつて親(まのあた)りベダイ人を載せた馬が銃火を潜(くぐ)りて走るを見しに...
南方熊楠 「十二支考」
...七睡人の犬もオザイルの驢もかつてかかる栄遇を享(う)けたと聞かぬと叱ると...
南方熊楠 「十二支考」
...前方にむかつて私の背中を押しやるのである...
三好達治 「柘榴の花」
...そうして予をしてかつて無礼にも諸君に末流の称を献じた失言を謝せしめて下さい...
森鴎外 「鴎外漁史とは誰ぞ」
...父の手に掛かつて死んだものと察せられた...
森鴎外 「大塩平八郎」
...未だかつてなんぴとも...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...かつてはやや開きにくい草生地であったと解しなければならぬ...
柳田國男 「地名の研究」
...かつて見た征衣のまま...
吉川英治 「三国志」
...大きな悔(く)いをみよう」かつては...
吉川英治 「私本太平記」
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