...その童話劇はかつて放送されたといふ話もきいた...
心猿 「露伴忌」
...かつてパマカスなる人が妻ポーリナを失いし時...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...が、未だかつて、そのために牢で困ったことはない...
大杉栄 「続獄中記」
...煤(すす)ばんだ花籠がかかつてゐて...
薄田泣菫 「侘助椿」
...とは云(い)え自(みずか)らはいまだかつて疼痛(とうつう)の考(かんが)えにだにも知(し)らぬのであった...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...私のかつて教えた学生の一人に...
高神覚昇 「般若心経講義」
...かつて何人も実験せずまた将来も実現する事のありそうもない抽象的な条件の下に行なわるべき現象の推移を...
寺田寅彦 「科学者と芸術家」
...他ならぬかつての大河内氏であったことは...
戸坂潤 「読書法」
...糊でビリビリの日覆をかけた小学帽とが掛かつてゐた...
中原中也 「思ひ出す牧野信一」
...私はかつて考証のために書かなかった...
野村胡堂 「楽聖物語」
...かつては御大工頭中井主水(なかいもんど)の配下で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
......
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...かつてわたしが、束髪のお鯉を見たときは安藤てる子さんとして紹介されたので、桂公爵に仕え麻布に住んでいたおりのことであった...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...かつて、跪(ひざまず)いて許しを請うべきだと言われたことがありますが、いまならそうします」メアリはしっかり、はっきり話し、かわいくて、女性らしく、それでいて自己抑制が効いていた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...思うに未だかつて疑われたことのない一命題の真理なることを...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...かつて見たことのない麗人である...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ぼくはかつて次のような「座蒲団」という詩を書いたことがある...
山之口貘 「詩とはなにか」
...諸君は、この翼徳張飛(よくとくちょうひ)という人間が、どんな力量の漢か知るまいが、かつて、幽州の鴻家(こうけ)に仕えていた頃、重さ九十斤(きん)、長さ一丈八尺の蛇矛(じゃぼこ)をふるって、黄巾賊(こうきんぞく)の大軍中へ馳けこみ、屍山血河(しざんけつが)をつくって、半日の合戦に八百八屍(し)の死骸を積み、張飛のことを、八百八屍将軍と綽名(あだな)して、黄匪(こうひ)を戦慄させたという勇名のある漢だ...
吉川英治 「三国志」
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