...月(つき)は形(かたち)は見(み)えないが光(ひかり)は眞白(まつしろ)にさして居(ゐ)る...
泉鏡花 「怪談女の輪」
...もしそれが完全(かんぜん)ならば中央(ちゆうおう)にある圓錐状(えんすいじよう)の火山(かざん)を全部(ぜんぶ)抱擁(ほうよう)する形(かたち)になるのである...
今村明恒 「火山の話」
...かたちなき水にうかびてならべたるふたつの櫂(かい)は「徒然(つれづれ)」の櫂「無言(しじま)」がい...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...女中が二人の顔かたちを...
梅崎春生 「狂い凧」
...依つてスサノヲの命はその孃子(おとめ)を櫛(くし)の形(かたち)に變えて御髮(おぐし)にお刺(さ)しになり...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...もはや四十の坂を越していようと思われるのに、姿、かたち、どう見ても二十台で通るのです――それに、永く江戸で修業して、婦人の身で塾を開いて、生徒を教えていたというほどですから、その応接もことごとく江戸前で通り、白雲をして、俄仕込(にわかじこ)みの奥州語を応用せしめる必要は少しもありませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...もののかたちがもうよくみえないのだよ...
原民喜 「かげろふ断章」
...五十フィートほどの深い底で珊瑚のようなかたちの熔岩塊が...
久生十蘭 「地底獣国」
...濡れものを乾すために薪箱の薪をあるだけ使って煖炉の火を焚しつけた……灰銀色の風変りなかたちをした軽金属の容器が薪箱の中にあったのなら...
久生十蘭 「肌色の月」
...やつぱり袋をつまみあげてゐるまゝの胸のかたちをとつたまま...
牧野信一 「変装綺譚」
...何んなかたちになつて現れたか知れないが兎も角樽野は平穏な己れの姿を再び此処に見出さなかつたらう...
牧野信一 「円卓子での話」
...かたちが定かに見えぬのであつた...
牧野信一 「岬の春霞」
...髪かたちも妓家の風情をまなび...
正岡子規 「俳人蕪村」
...」ぞんざいな言葉づかいまで挑(いど)んで放れないものを見せ、経之は異腹の兄弟とはこうもあろうかと、顔かたちの違い、性情の違い、肉体の違いを何故か急に頭にうかべた...
室生犀星 「野に臥す者」
...かれはめずらしくかたちをただして母親の前に坐った...
山本周五郎 「日本婦道記」
...この日の寄合(よりあい)は終ったかたちだった...
吉川英治 「私本太平記」
...世の中をこんなかたちにまで荒した張本人は尊氏ではないかと...
吉川英治 「私本太平記」
...象(かたち)の上に現わされた武蔵の剣を把(と)った動的な事蹟の裏には...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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