...井戸端へかたかた行く...
泉鏡花 「婦系図」
...かたかたかたと、上原さんは走って階段を上って行って、私は不思議な透明な気分で、ゆっくり上って、外へ出たら、川風が頬(ほお)にとても気持よかった...
太宰治 「斜陽」
...橋をかたかた渡って...
太宰治 「畜犬談」
...橋をかたかた渡りながら...
太宰治 「津軽」
...間もなく遠くの木枯の中からかたかたと馬車の音が聞えてきた...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...旅館の貸下駄をかたかた音立て...
豊島与志雄 「山上湖」
...一文銭に片々靴(かたかたぐつ)...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そのかたかたのほうで...
中里介山 「大菩薩峠」
...片々(かたかた)が一尺昇れば片々は一尺下がるように運命は出来上っている...
夏目漱石 「虞美人草」
...三千代は次の部屋で箪笥(たんす)の環をかたかた鳴らしていた...
夏目漱石 「それから」
...向うの足を見るとその男の靴足袋(くつたび)の片々(かたかた)が破れて親指の爪が出ている...
夏目漱石 「野分」
...かたかた音をたてゝ空を走つて来るやうなそんな...
林芙美子 「朝夕」
...武器の鳴るようなかたかたいう音がした...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「火夫」
...馬車が高い崖路(がけみち)の高低でかたかたときしみ出す音を聞いてもまだ続いた...
横光利一 「蠅」
...間もなく遠くの木枯の中からかたかたと馬車の音が聞えて来た...
横光利一 「馬車」
...やがてまたかたかたと草原の中の石ころ道を走り出した馬車と一緒に...
横光利一 「馬車」
...」米櫃(こめびつ)の蓋をとって枡(ます)で計ってみている妻の手つきがかたかた寒い音を立てている...
横光利一 「夜の靴」
...うっかり、下ろし忘れた茶瓶(ちゃびん)のふたが、かたかたと、おどった...
吉川英治 「親鸞」
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