...老人は片々(かたかた)の足を洗つたばかりで...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...かたかたと何やら嵌込(はめこ)む……その嵌めるものは...
泉鏡花 「浮舟」
...かたかたと下駄の音で...
泉鏡花 「歌行燈」
...屋敷(やしき)の掃除(そうじ)もあらかたかたづいたらしい...
伊藤左千夫 「告げ人」
...かたかたかたと、上原さんは走って階段を上って行って、私は不思議な透明な気分で、ゆっくり上って、外へ出たら、川風が頬(ほお)にとても気持よかった...
太宰治 「斜陽」
...かたかたと音をさしはじめた...
田中貢太郎 「黄燈」
...足でさなずって下駄と草履をかたかたに履いて...
田中貢太郎 「餅を喫う」
...そのかたかたのほうで...
中里介山 「大菩薩峠」
...片方(かたかた)を片方の上へ重ねて...
夏目漱石 「思い出す事など」
...片々(かたかた)が一尺昇れば片々は一尺下がるように運命は出来上っている...
夏目漱石 「虞美人草」
...向うの足を見るとその男の靴足袋(くつたび)の片々(かたかた)が破れて親指の爪が出ている...
夏目漱石 「野分」
...一方(かたかた)の心が苦しむ時には他方(かたかた)の心も共に苦しみ...
二葉亭四迷 「浮雲」
...おやと見るうち 方方の子供、かたかた、ぱたぱた 小さな足音...
ロバアト・ブラウニング 楠山正雄訳 「魔法の笛」
...門の扉をかたかたといわせているが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...朝の暗いうちから一人かたかたと...
柳田国男 「雪国の春」
...やがてまたかたかたと草原の中の石ころ道を走り出した馬車と一緒に...
横光利一 「馬車」
...これが宮方加担(みやかたかたん)の露見(ろけん)とでもいうのだったら...
吉川英治 「私本太平記」
...うっかり、下ろし忘れた茶瓶(ちゃびん)のふたが、かたかたと、おどった...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索