...喪服を着たり何かすれど...
芥川龍之介 「北京日記抄」
...「鼻を斬られるなんて、餘程間の抜けた奴(やつ)だと見えるね」そう云った時、少年の咽喉(のど)から、かすれた、老人の咳(せき)のような、子供らしくない笑いごえが出て、それが異様に屋根うらへ響いた...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...ただしは地震津浪の週期を十分の一か百分の一に縮めるかすればよい...
寺田寅彦 「津浪と人間」
...逃走者がセーヌ川に身を投ずるか川岸通りによじ上るかすれば...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...」その声はかすれてふるえました...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...かすれて渡る雁(かり)の数も知る...
夏目漱石 「野分」
...かすれた聲にも凛(りん)とした響が加はつて來た...
平出修 「計畫」
...かすれ声で白状した...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...かすれ声でささやいた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...かすれたような声で...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...それでも綺麗な花が咲くとか見事な実がなるとかすればともかくだが...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...そしてまるで細いかすれた声で...
宮沢賢治 「クねずみ」
...棘(とげ)のあるかすれた声で訊き返した...
山本周五郎 「青べか物語」
...もしかすればそれがごしゅくんのお手に触れるかもしれない...
山本周五郎 「日本婦道記」
...もしかすればこの家を出てゆかなければならなくなるかもしれない...
山本周五郎 「柳橋物語」
...下に居よ、との意味であったろうが、かすれて、声もなさず、なお、何か言ったことも、よくは分らなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...私はこのままに泣かしておいて下さいまし」娘はかすれがすれにいう...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...きれぎれな声がかすれて飛んだ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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