...」馬琴はかすむ眼で...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...その活(い)き活(い)きした目がかすむのを井筒屋のお貞が悪口(わるくち)で...
岩野泡鳴 「耽溺」
...おぼろにかすむはざまかな...
アルフレッド・ドゥ・ミュッセ Alfred de Musset 上田敏訳 「春夜」
...春雨(はるさめ)にかすむとか...
海野十三 「三十年後の世界」
...かすむ目で見つめていた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...東山が紫にかすむことも...
竹久夢二 「砂がき」
...見わたせばやまもとかすむ水無瀬川ゆふべは秋となにおもひけむ...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...欄干に靠れながらおぼろにかすむ大空を仰いだ...
谷崎潤一郎 「刺青」
...シュバちやんではなかつたらうか?かすむ街の灯とほに見て...
中原中也 「在りし日の歌」
...せめては片戀の娘たちよおぼろにかすむ墓場の空から 夕風のやさしい歌をうたつておくれ...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...かすむ夕べの朧月(おぼろづき)よに人顔ほのぼのと暗く成りて...
樋口一葉 「ゆく雲」
...涙でかすむ目に、スカートの衣擦れが聞こえた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...平和なれ」子供はかすむ海のようにひろい目をあけてコラムを見た...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「海豹」
...彼はまだねむけにかすむ眼で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「衣裳戸棚」
...私の通う計器部はその工場の広い敷地の隅にこじんまりと独立して建てられた小さい建物で各種計器の金属部品を種目ごとに精密検査して包装する仕事が当てられており私は成績優秀として検査部の組長格の席が与えられ拡大鏡の下でミクロメエタアつきのゲージに部品を当てがっては最後の合格不合格をきめて行く役目だった拡大鏡をのぞいている眼が過労のために時々かすむすると額の眼の上の所がギリギリギリと痛んで...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...月はかすむ春の夜や岸辺の桜...
三好十郎 「樹氷」
...短檠(たんけい)の灯(ひ)もかすむ宵となったが...
吉川英治 「剣の四君子」
...空にかすむ雲雀(ひばり)のねも...
吉川英治 「新書太閤記」
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