...霞(かすみ)がくれの鼻唄(はなうた)で...
泉鏡太郎 「一席話」
...ほんのりと霞(かすみ)をかけて...
泉鏡花 「印度更紗」
...じいっとみているとこっちの眼のまえがもやもやと翳(かげ)って来るようでその人の身のまわりにだけ霞(かすみ)がたなびいているようにおもえる...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...かすみ渡る夕靄のあひだに...
永井荷風 「町中の月」
...霞(かすみ)にさした十二本の簪(かんざし)...
中里介山 「大菩薩峠」
...私の記憶に霞(かすみ)をかけるせいだろう...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...逢(あ)わぬ五年を霞(かすみ)と隔てて...
夏目漱石 「虞美人草」
...始めて醒(さ)めた眼に遠い霞(かすみ)を眺(なが)める事もあった...
夏目漱石 「門」
...雲を霧(かすみ)に逃げた――といふだけしか解りません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...春の夜のかすみいちめんにふかくかけ...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...かすみを かむった 野原から 今ひとたびの カケスの けたたましい なき声...
ベアトリクス・ポッター Beatrix Potter 大久保ゆう やく 「きつねめさんのはなし」
...さて、ビリヤード室へ戻るぞ」メイは冷静に向きを変えたけれど、目はかすみ、足元から世界が崩れる気がした...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...現実の社会事情からは些か霞(かすみ)の奥に在る...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...桜田霞(かすみ)が関(せき)の松平少将家の三家がその主(おも)なるものであった...
森鴎外 「細木香以」
...霞(かすみ)ヶ浦(うら)の湖岸の村にも...
柳田国男 「こども風土記」
...(霞(かすみ)村組合村是...
柳田國男 「日本の伝説」
...そのほかのことは霞(かすみ)に包まれたようで...
山本周五郎 「菊千代抄」
...奈良の霞(かすみ)も...
吉川英治 「私本太平記」
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