...血迷ったかこいつら...
泉鏡花 「海異記」
...その仕切った部分は「かこい」と呼ばれた...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...ところで、この峡谷の入口から出口までのあいだの、ほぼまんなかに当るあたりに、下流からみて右がわに、一つの水のない峡谷が枝のように分れていて、その分岐点に、三エーカーぐらいの平地があり、そこに数年まえ、板かこいの、一部屋の家が立っていた...
アンブローズ・ビアス Ambrose Bierce 妹尾韶夫訳 「マカーガー峽谷の秘密」
...母屋の旦那はどう云う訳かこいさんと云うものを余程悪く取っているので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...もっと現実的に――あたかも図案家が単にありきたりの囲(かこい)あるいは後光でないように...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...十八そこで、梨の木を一本、後ろ楯(だて)に取って、袋をかこい、蟠(わだかま)った米友は、例の手練の杖槍を取って、淡路流に魚鱗の構えを見せるかと思うと、そうでなく、後ろにかこった金の袋の結び目へ手をかけて、「面倒くせえから、それ、欲しけりゃあくれてやらあ、手を出すなら出してみな、面(つら)でも腕でも持って来な、目口から押出すほど食わしてやらあ!」袋の結び目を手早く解いて、その両手を袋の中に突込むと、すくえるだけのザク銭(ぜに)をすくい上げ、「そうれ!」と言ってバラ蒔(ま)きました...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかし全く自由になったつもりでいても実はやはり別の世界に移ったのでなくて何処までも自分の囲(かこい)から出た訳ではなく...
中谷宇吉郎 「救われた稀本」
...質屋の前に疎(まば)らな囲(かこい)をして...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...俥宿と馬舎との間の地処にかこいをして草を植え...
長谷川時雨 「旧聞日本橋」
...変な板かこいの小屋へ連れていって...
長谷川時雨 「木魚の顔」
...おかこい氷が半分がた溶けてしまったところへ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...まンなかの空地へ鯨をころがしてこれを鯨幕で四方からかこい...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...ねこぬこタムは かこいに のぼって 上を のぞいてみます...
ベアトリクス・ポッター Beatrix Potter 大久保ゆう訳 「ちょびひげサミュエルのはなし」
...「なかなかこいつはうるさいねえ...
宮沢賢治 「オツベルと象」
...うちつれて赤い小さな水掻きをうごかしながらその狭いかこいの中を円を描くようなふうに游いでゆく...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...二年ばかり他人のかこいものにしたこともあるんだぞ」「柿崎さん」「本当だ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...その男はそこに女をかこい...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...殿堂をかこい嶮所(けんしょ)に登って廓(くるわ)のなかへ矢を射(い)こみ...
吉川英治 「神州天馬侠」
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