...いろいろ陽炎(かげろう)の中に転がっていた...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...陽炎(かげろう)の縺(もつ)るるよりも...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...草蜻蛉(くさかげろう)と云ふ小さい蜻蛉(とんぼ)になるのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...ほかほかと陽炎(かげろう)を立てた...
犬田卯 「沼畔小話集」
...野山にかげろうが立ち...
高村光太郎 「山の春」
...恰も熔鉱炉の底から煽り上る熱気に似た陽炎(かげろう)が麓に打ち煙って...
谷崎潤一郎 「恐怖」
...少しはなれた所から見ると臙脂色(えんじいろ)の団塊の周囲に紫色の雰囲気のようなものが揺曳しかげろうているように見える...
寺田寅彦 「雑記帳より(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...中からほんのり暖かい薄紫の陽炎(かげろう)が燃え出る...
寺田寅彦 「木蓮」
...軽い陽炎(かげろう)がゆらゆらと立昇るのを...
豊島与志雄 「土地」
...緩やかにかげろうを燃やす...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...かげろうは、温かい空気がすじになって上って行く時に起るので、その空気の流れのむらが光を折り曲げるために生ずる現象であることは、大抵の人は知っているであろう...
中谷宇吉郎 「「茶碗の湯」のことなど」
...時ならぬ陽炎(かげろう)の燃えるところを主人は余念もなく眺めている...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...土竈(へっつい)から陽炎(かげろう)が立ちそう...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...昨日の雨でしめっていた庭にかげろうがまっています...
林芙美子 「お父さん」
...「かげろうの日記」を書いた一方...
堀辰雄 「「美しかれ、悲しかれ」」
...河畔のかげろうのなかで激しく光ったりした...
本庄陸男 「石狩川」
...浜に陽炎(かげろう)がもえ立っていた...
本庄陸男 「石狩川」
...ちらちらかげろうが上っていたんだ...
宮沢賢治 「風野又三郎」
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