...何しろそう云うものらしくない世にもかぐわしい匂がするので...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...あのかぐわしい薫物(たきもの)の匂の感覚とに過ぎなかった...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...かぐわしい足生きている足であった!」――だが...
豊島与志雄 「形態について」
...この矛盾を解決してくれるものはないか? 詩にみちた、かぐわしい、帆船時代をとり戻すために? そして貧血した帆船業者を、昔の利潤にありつかせるために?たまたま二十世紀の前夜にあたって、ディーゼル博士が内燃機関を発明した...
服部之総 「黒船前後」
...こういうひととワルツを踊るのをフランスでは〈かぐわしい風に乗せられる〉という...
久生十蘭 「だいこん」
...そこの無数の灌木(かんぼく)のかぐわしい芳香を吸いこみ...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...あたりの大気をそのかぐわしい芳香でみたしている...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黄金虫」
...下には一面の菫が広がりさまざまな人の双眸(まなこ)のよう――下では一面の百合がゆれ名もなき墓の並ぶさなか滴っている!一面ゆれて――そのかぐわしい葉先からとこしえの雫が露と落ちる...
エドガー・A・ポオ Edger A. Poe 「ポオ異界詩集」
...かぐわしい花々や優雅な情景は...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...出窓のタイル花壇からモクセイソウやヘリオトロープのかぐわしい匂いが漂って来る...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...新鮮でかぐわしい空気の精気が血液に満ち...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「四日闇夜」
...葉巻でかぐわしい夜が汚されるようだった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...一種のかぐわしい匂いがで始めて...
山本周五郎 「菊千代抄」
...昔の少女はかぐわしい夢のようなヴェールを透して世界を見た...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...かぐわしいエマナチオンを漂わせる...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...その一呼吸毎(ごと)に全身に輝き満ちて来るかと思われるくらい……その頬は……唇は……かぐわしい花弁(はなびら)の如く……又は甘やかなジェリーのように...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...はかなくかぐわしい夢に浮かれる人々も亦...
夢野久作 「鼻の表現」
...かぐわしい花の匂い...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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