...つまりこの怪文字のかき手はあの乞食であったのだ...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...可愛らしき小児をいだく手も清くほそやかにして、力なげなる年若き女の、お月さまいくつ十三なゝつなど、小声にうたふにつれて、かたごとに、のゝさま/\と言ひつゞけしが、はてはつかれて、やわらかき手、母の胸にあてて、ちゝ/\とねだれば、月に白き豊胸露はし、乳房ふくませて、いきうつしと覚えずつぶやきたる声低く、眼も放たでみとれたる足元に、竹影娑婆として、孤月むなしく長風の上にすみてつれなし...
大町桂月 「月譜」
...誰とも知られぬやわらかき手が...
太宰治 「古典風」
...達者なかき手だが...
中里介山 「大菩薩峠」
...『柔かき手もて握れる故...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...柔らかき手に膏薬(こうやく)を貼(は)って創口(きずぐち)を快よく慰めよ...
夏目漱石 「虞美人草」
...かき手と与次郎は笑い出した...
夏目漱石 「三四郎」
...女の)それをハンケチとかき手套とかき...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...まことにオルランドは、たかき手柄を、語る暇もなきほどに次々に重ねたまえり...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ただ一度かの暖かき手を握りたい...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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