...ちょうど牆(かきね)の外を通ってますと...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「封三娘」
...例の垣根(かきね)へはあまり近寄らず...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...珊瑚樹(さんごじゅ)の垣根(かきね)や...
徳田秋声 「仮装人物」
...籬根(かきね)にすいかずらの花が何時の間にか咲いて居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...垣根(かきね)の竹は枯(か)れきつて其(そ)の根元(ねもと)は虫に喰(く)はれて押せば倒(たふ)れさうに思はれる...
永井荷風 「すみだ川」
...彼(かれ)はおつぎの意中(いちう)を能(よ)く解(かい)して居(ゐ)るので其(そ)の吸殼(すひがら)は決(けつ)して目(め)につく處(ところ)へは棄(す)てないで細(こま)かに押(お)し揉(も)んで外(そと)へ出(で)る序(ついで)に他人(たにん)の垣根(かきね)の中(なか)などへ放棄(ほう)つた...
長塚節 「土」
...勘次(かんじ)はおつたの姿(すがた)をちらりと垣根(かきね)の入口(いりぐち)に見(み)た時(とき)不快(ふくわい)な目(め)を蹙(しが)めて知(し)らぬ容子(ようす)を粧(よそほ)ひながら只管(ひたすら)蕎麥(そば)の幹(から)に力(ちから)を注(そゝ)いだのであつた...
長塚節 「土」
...そこらの垣根(かきね)の木いちごの花だけが白くういている道を...
新美南吉 「和太郎さんと牛」
...見知らない一人の男がかきねの前に立ち止まった...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...」と云ったかと思うとその声はもう向うのひのきのかきねの方へ行っていました...
宮沢賢治 「風野又三郎」
...こうした卑しい家の垣根(かきね)に咲くものでございます」その言葉どおりで...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...をちかへりえぞ忍ばれぬ杜鵑ほの語らひし宿の垣根(かきね)にこの歌を言わせたのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「なでしこの常(とこ)なつかしき色を見ばもとの垣根(かきね)を人や尋ねん私にはあなたのお母さんのことで...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...挿頭(かざし)折る花のたよりに山賤(やまがつ)の垣根(かきね)を過ぎぬ春の旅人野を分きてしもこれが美しい貴女(きじょ)らしい手跡で書かれてあった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...世の常の垣根(かきね)ににほふ花ならば心のままに折りて見ましをこの歌を奏したのは思召しに添ったことであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...田舎家の垣根(かきね)の雑草の中にあふりというものを敷いて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...かしこには垣根(かきね)ありしはずなるにと思いて...
柳田国男 「遠野物語」
...垣根(かきね)のそとで逃(に)げ腰(ごし)になりながら...
吉川英治 「神州天馬侠」
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