...そう笠(かさ)にかからずとも...
有島武郎 「或る女」
...警官の手にもかからずにふらふらと一人で帰って来た...
大阪圭吉 「銀座幽霊」
...病気にもかからず...
丘浅次郎 「我らの哲学」
...選挙騒ぎもやや鎮(しず)まった時分、倉持は二三人取巻きをつれて来たり、一人で飯を食いに来たりもしていたが、よって来ると三味線(しゃみせん)をひかせておばこ節など唄(うた)って騒ぐくらいで、手もかからず、気むずかしいところも見えなかった...
徳田秋声 「縮図」
...肥大ならず、矮小ならず、膨張せず、萎縮せず、賑かからず、淋しからず、ただあるがままに満ち足って、空疎を知らず、漲溢を知らず、恐るることなく、蔑むことなき、清爽たる気魄である...
豊島与志雄 「梅花の気品」
...気力一つで医者にもかからずに持ちこたえていたのである...
中島敦 「斗南先生」
...門から玄関へかからずに...
夏目漱石 「草枕」
...生前の豊島さんには長いことお眼にかからず仕舞い...
林芙美子 「貸家探し」
...稲の穂が葉のうちに隠れて花もかからず...
久生十蘭 「奥の海」
...だれの眼にもかからずに...
久生十蘭 「金狼」
...同じ時の歌に 一つだに昔に変る山のなし寂しき秋はかからずもがな 相馬岳榛名平に別れ去るまた逢ふ日など我思はめや などがある...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...そう長くかからず結論に達した...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...『病気にかからずにその小屋の中に入ることは出来ない...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...漱石その他にはすぐかからず...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...やがてふりかからずにはすむまい不幸を近親に向ってしばしば嘆いたすえ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...奥様には到頭お眼にかからず了いでしたが...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...ふたたびお目にかからずにはおりません...
吉川英治 「神州天馬侠」
...まんまと人目にかからずに亭主のベッドに寝かせつけ...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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