...中にも梅野といふのは、一番美しくて、一番お転婆で、そして一番ハイカラで、実際は二十二だといふけれど、打見には十八位にしか見えなかつた...
石川啄木 「病院の窓」
...お転婆な娘だけが誘惑に堕(おちい)り易い危険性をもつてゐて...
伊藤野枝 「内気な娘とお転婆娘」
...ただお転婆(てんば)の嫁と馬鹿な悴とが毎日ふざけているということが解った...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「小翠」
...「あの丘の端を廻つた所でございますが、舟で行けば十分ぐらゐもかゝりません、」「舟がありますか、」「えゝ、ボートを持つて来てをります、」「あなたがお一人ですか、」「えゝ、さうですよ、お転婆でせう、」女は艶やかに笑つた...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...農村でそんな風にお転婆だったろうと想像し...
田中英光 「野狐」
...お転婆だったのは当り前だと云わなければなりません...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...そのお転婆でやんちやなことは...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...全くのところ三平は梅吉のようなお転婆な...
谷崎潤一郎 「幇間」
...今(いま)一人(り)の日本語(にほんご)のよく話(はな)せるお転婆(てんば)さんらしい女(おんな)と入替(いれかわ)つた...
徳田秋聲 「微笑の渦」
...「あのお転婆(てんば)娘が!」と彼は考えた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...◎千葉の娘はお佐野(千里駒には光子とありて龍馬より懸想したりと記したれど想ふに作者が面白く読ません為めに殊更ら構へたるものなるべし)と云つてお転婆(てんば)だつたさうです...
楢崎龍、川田雪山 「千里駒後日譚」
...あのお転婆(てんば)の姪の瑛子と...
野村胡堂 「死の予告」
...「お前は何だ」「女よ――少しお転婆(てんば)だけれど」「その文身は?」「ご覧の通り十二支さ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...妾(わたし)なんてお転婆だったでしょう...
平林初之輔 「人造人間」
...東京の学校へなんて入つたの?」「彼奴は手のつけられないお転婆で――バカだよ...
牧野信一 「晩春の健康」
...「僕は照ちやんのやうなお転婆と結婚がしたいよ...
牧野信一 「ランプの明滅」
...お転婆娘(てんばむすめ)に育ってきましたが...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...女新聞記者というお転婆者になりました...
若杉鳥子 「職業の苦痛」
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