...お蔭で、植付が終ると同時に、大麦の調製から小麦の始末まで、器械を頼んで来て、一気にやってしまった...
犬田卯 「米」
...お蔭で乃公はゆうべ寝ることが出来なかった...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...よく走るもんだてえことを……」車のお蔭で...
海野十三 「深夜の市長」
...その軍人生活のお蔭で...
大杉栄 「続獄中記」
...私は洋琴(ピアノ)のお蔭で露命を繋いだんですからね...
薄田泣菫 「茶話」
...これはまことに師匠のお蔭で...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...県会議員選挙に立候補してお蔭で借金へ毎月可成(かなり)とられるので閉口...
太宰治 「虚構の春」
...十年いきのばされたお蔭で...
田中英光 「さようなら」
...」と云つてみたり、「わてのお蔭で、お前にまでこんな淋しい思ひさして、堪忍なあ...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...そのお蔭で昆布の家は...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...手前(てめえ)のお蔭で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お蔭で素つ破拔きに始まつた大喧嘩も流れて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...其処(そこ)放しゃれ! お蔭で兄とも師とも頼むお方の前で恥をかいたわ!」と呉羽之介は荒々しくお春の手を振払って...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...不承不承に不得手(ふえて)な採鉱の方に廻ったお蔭で...
夢野久作 「斜坑」
...吾輩これでも亜黎子未亡人のお蔭で...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...そのモウ一人の君自身のお蔭で...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...そんなみずくさいこと申されて――」「お蔭で都合よく用事もすませてもらいましたし...
横光利一 「旅愁」
...むしろ仮死のお蔭で...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索