...彼女は前述の環境のお蔭で...
江戸川乱歩 「江川蘭子」
...県会のうちには足尾銅山のお蔭で利益を得ている地方の議員もいるし...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...お蔭で私達も氣持を惡くせずに濟むのかも知れない...
薄田泣菫 「西大寺の伎藝天女」
...お蔭で赤塚氏はひどく腹を損(そこ)ねた...
薄田泣菫 「茶話」
...あたしも雪子ちゃんのお蔭で子供の面倒を見る手間が省けて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...お蔭で、どんなに楽に廻れたか知れやしませんよ」「いゝえ」Sはかう言つたが、笑ひながら「でも、堅い旅行でしたね...
田山録弥 「海をわたる」
...「お蔭でまアどうかこうか……...
徳田秋声 「新世帯」
...多分アジア主義者であるお蔭で...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...お蔭で僕はすっかり安心したよ...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...お蔭でこちとら迄こんな雪ふりの夜更けにこき使はせやがつて...
長與善郎 「青銅の基督」
...……何しろ山木は妙な道楽のお蔭で馬鹿な借金をつくり...
久生十蘭 「魔都」
...暮に小山さんとおっしゃるお方がいらっした時のは肉が悪い故(せい)でございますか誠に不出来でしたが今日のは兄さんが好(い)い肉をお捜し下すったお蔭で角煮(かくに)なんぞは長崎で拵(こしら)えるように出来ました」兄「そうか...
村井弦斎 「食道楽」
...私はこの朝市のお蔭で...
柳宗悦 「京都の朝市」
...そのお蔭で捜査方針が全く立たなかったのです...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
...そいつが事件後丸一年目に或る芸妓(げいしゃ)のヒドイ近眼のお蔭で的確に足が付いた...
夢野久作 「近眼芸妓と迷宮事件」
...不承不承に不得手(ふえて)な採鉱の方に廻ったお蔭で...
夢野久作 「斜坑」
...そなたの疱瘡(ほうそ)の軽うすんだのもお蔭であったぞや...
吉川英治 「私本太平記」
...斎藤道三秀龍(どうさんひでたつ)というものの睨みがきいているお蔭でもあった...
吉川英治 「新書太閤記」
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