...何もお花見だからと言つて異裝なんかする事はさう別に奬勵するにも及ばなければ...
泉鏡花 「お花見雜感」
...お揃ひで社寺へお詣りなさる事も度々ございましたし、またお花見や、お月見、また船遊びなどには、いつも御台所さまをお誘ひになり、殊にも和歌会や絵合せの折には、御台所さまは、それこそ、なくてかなはぬお方で、将軍家に京風の粋をお教へ申し上げるお優しい御指南役のやうにさへ見受けられました...
太宰治 「右大臣実朝」
...毎年お花見の時より外にはめったに着ることのない和服を着て...
谷崎潤一郎 「細雪」
...お花見より菊五郎が見たいわ」「そんな元気があるのんやったら...
谷崎潤一郎 「細雪」
...此の人来年は富士見楼のお花見に雇はれて...
坪内逍遙 「斎藤緑雨と内田不知菴」
...用をすました帰りにぶらぶら竹(たけ)の台(だい)を歩きながら全く予期しなかったお花見をした...
寺田寅彦 「雑記帳より(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...お花見に行くんだと言って...
豊島与志雄 「花ふぶき」
...東京は丁度お花見時分で御在ますね...
永井荷風 「来訪者」
...お花見と云う行事は大すきだった...
額田六福 「解説 趣味を通じての先生」
...お花見の前の日みたいに浮かれ切っていたのが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あのそれ一昨年(をととし)のお花見(はなみ)の時(とき)ねと言(い)ひ出(だ)す...
樋口一葉 「うつせみ」
...お花見日和なので...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...」「あたしは東京でもお花見といふものを見たことがないので...
牧野信一 「F村での春」
...お花見季が過ぎてから――といふつもりで...
牧野信一 「お蝶の訪れ」
...何処に今ごろ咲いてゐる花があるのかな?今ごろ花があつて! あんなに浮れてゐるお花見の連中! ――何だか飛んでもない国に来てしまつたやうな気がする! ……ゆうべ...
牧野信一 「お蝶の訪れ」
...早いお花見の目鬘(めかずら)を売る爺さんが一人...
正岡容 「小説 圓朝」
...お酒やらお重詰やらをたくさんこしらえて堀江の裏の土佐の稲荷へお花見に出かけた...
正岡容 「寄席行燈」
...津田さんお花見に行きたいんだが金を都合して来て下さい...
宮本百合子 「斯ういう気持」
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