...わずかにお粥(かゆ)をすすって生きのび...
太宰治 「花吹雪」
...枕元には土鍋に入れたお粥や膳を置いてあるが...
田中貢太郎 「海異志」
...一食は必らずお粥にしよう(胃拡張はルンペン病の一つだ...
種田山頭火 「其中日記」
...・冬夜さめてはおもひでの香煎をすゝりますお粥のあたゝかさ味の素の一さじ二さじ・噛みしめる味はひも抜けさうな歯で・更けてひそかに竹の葉の鳴る十二月十五日晴...
種田山頭火 「其中日記」
...こういう考え方は、一体いいのか、悪いのか? たしかに、大阪及び、大阪近くには、この飯の尊重と、お粥の尊重とが、都会に似ずはびこって、そして又、節約のすきな人が、年々、汽車弁当の残飯が、何万石になるから、棄てるなとか、宣伝しているが、その一方米の豊作で、百姓が困り、それが為購買力が無くなって、経済界が何うとか――この矛盾は、一体、何んであろうか?この問題は、近代の科学的産業組織の発達に伴いえない農村の欠陥と、伴わないに拘らず、急激に膨脹した農村経済との矛盾であると、私は考えているが、こういう問題を別として、こうした倹約思想は、明治時代で、廃棄さるべきものであった...
直木三十五 「大阪を歩く」
...ワイワイ騒いでお粥(かゆ)を食っている様子があんまりいいもんだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...お粥のような糊のようなものをそのお椀に一杯よそって来ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...この一椀のお粥とも糊ともつかぬものを...
中里介山 「大菩薩峠」
...朝たべた二杯の淡いお粥は...
原民喜 「小さな村」
...「これは羊の肋肉(ばらにく)にお粥を添えたものですよ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...名物のお粥がうまかった...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...「飯だ!」「お粥だ!」「うおつ!」「よし来た...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...第五 スープの粥人によってバターの匂いを嫌う事もありますからその時は前のお粥よりもこのスープ粥がようございます...
村井弦斎 「食道楽」
...その外(ほか)に色々のお粥もありますけれどもこれだけの法によって工風(くふう)したら何でも出来ない事はありません...
村井弦斎 「食道楽」
...といってグチャグチャしてお粥(かゆ)のようでもあるし...
村井弦斎 「食道楽」
...私はそのお粥にバターを溶かしこんで時には卵黄をも加えたが...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...お粥と豆腐ばっかり喰わせおる...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...お粥(かゆ)ばかり食(く)わせておきやがって...
吉川英治 「神州天馬侠」
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