...「何うも、可怪(おか)しい、何か、悪い企みがあるのではないか」と、いう疑いが、まず、お目付兼物頭、名越左源太から起された...
直木三十五 「南国太平記」
...御本丸から始めて天守台、櫓々、曲輪曲輪(くるわくるわ)、門々、御米蔵、役所、お目付小屋、徽典館(きてんかん)、御破損小屋、調練場の掃除や、武具の改めや何かが毎日手落ちなく取り行われます...
中里介山 「大菩薩峠」
...……私はお目付でもなければ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...「これを槇野主膳どのまで届けさせて呉れ」「あの……お目付の槇野さまでございますか」「そうだ...
山本周五郎 「新潮記」
...まかり間違うて大公儀の耳にでもそげな事が入ったなら、直ぐさま、黒田五十五万石のお納戸の信用に差響いて来るやら知れぬ話じゃけに、成る限り大切(だいじ)を取って極々の内密(ないない)に、しかも出来るだけ速(は)よう下手人を探し出せと言う大目付からの御内達で、お係りのお目付、松倉十内様(どん)も往生、垂れ冠って御座る...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...それじゃけにお目付の松倉さんはどっちかと言うと襟半をタタキ上げて事を片付けたい口ぶりらしいが...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...黒田藩のお目付役...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...そんなら詳しゅう喋舌らん処じゃったが……」「人の悪い猪口兵衛さん」「イヤサ……お目付の松倉さんが...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...小林勘蔵どのと義平太もすでに見届けて帰った通りじゃ」「越前には、腑(ふ)におちかねるが」「と仰っしゃっても、公儀へのお届けはすみ、お目付、寺社奉行への手続きも滞(とどこお)りなく、愚老の菩提寺に埋葬して、戒名(かいみょう)までついてしまっている者を……はて、あの世から、呼び戻すこともできますまい」越前守は口をつぐんだ...
吉川英治 「大岡越前」
...さきへいくお目付(めつけ)の熊蔵(くまぞう)さまに聞いてみねえ」「へんだな...
吉川英治 「神州天馬侠」
...この朱貴をお目付役に...
吉川英治 「新・水滸伝」
...お目付のあにきが見ている前だけなら...
吉川英治 「新・水滸伝」
...然し、たった今、熱魂(ねっこん)の一声に、柳営を覆(くつが)えすような大騒動を起したその人とは思えぬような沈着な態度で、『お目付か』と、云った...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...清流と濁流同朋衆(どうぼうしゅう)の珍阿弥(ちんあみ)から、『御当番お四名の他(ほか)、お目付役皆様、残らず、若年寄のお席まで、急いで出頭なされませ』と呼ばれて、ぞろぞろと出て行った...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...お目付へ知られては一大事...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...所司代やお目付が手を廻せば...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...「おッ、お目付」「ウム、いかが致した?」「い、一大事です……」と息をかすらせたが、すぐ要領をいった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...老女衆がお目付役につけられて...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
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