...つい近所のお稲荷(いなり)様へお百度を踏みに通ひました...
芥川龍之介 「雛」
...」「組合長が県や政府や会社へお百度踏んでも駄目だっちだから...
犬田卯 「米」
...かくて御國(みくに)と我夫(わがつま)といづれ重しととはれなばたゞ答へずに泣かんのみお百度まうであゝ咎ありや(明治三十八年一月「太陽」)...
大塚楠緒子 「お百度詣」
...哀願者としての痛ましい黒装束に包まれながら宮廷にお百度を踏んだにもかかわらず...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...ひそかに「お百度」をふむ母などを出した...
壺井栄 「二十四の瞳」
...奥と門口(かどぐち)との間にお百度を踏んでおります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今は跡形もありませんが、其頃流行つた瓦(かはら)町の焙烙(はうろく)地藏樣の門前、お百度石の側で、同じ町内の糸屋の娘お駒が、銀簪(ぎんかんざし)に右の眼玉を突かれて、藝妓奴と同じやうに、無慙(むざん)な死に樣をして居たのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...八丁堀と數寄屋橋の間をお百度を踏んでようやく判つたよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...梯子段はお百度石の前ほどの賑わいだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「お百度(ひゃくど)」を踏んだ...
火野葦平 「花と龍」
...「お百度」が終るころ...
火野葦平 「花と龍」
...発行所へたびたびお百度まで踏んだふた月がかりで待っていた新刊ですから...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...つい此間(こなひだ)までお百度を踏むでゐたんですもの………少しお願があツたもんですから...
三島霜川 「平民の娘」
...私がお百度を踏んでやつと三百円だけ引かしたんだ...
三好十郎 「地熱」
...なっちょらんたい! これが二十回近くもお百度踏ましといて...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...大きなお社の鳥居の脇にはお百度石という石が立っていて...
柳田国男 「母の手毬歌」
...手も力も尽き果てた区長は大急ぎで町へ出て弁護士の家へお百度詣りを始めた...
夢野久作 「巡査辞職」
...この婆がその女子の家へお百度踏んで通うても――いやわしが生命(いのち)を結納(ゆいのう)に進上しても...
吉川英治 「宮本武蔵」
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