...お母様の形見のヴァイオリンを...
竹久夢二 「街の子」
...もう決してお母様にをついたり...
谷崎潤一郎 「少年」
...けれど、わたしは自分の心の中に生まれ出たことをあなたに申し上げないでは、もう生きていられません、このことはわたしたち二人よりほかには、(当分のあいだ)、誰にも知らしてはならないのです、けれど、わたしの申し上げたいと思うことを、どんな風にあなたにお話ししたらいいのでしょうね、紙は顔を赤らめないと申しますが、それは嘘ですわ、本当のことを申しますが紙まで今のわたしと同じように、まっかな顔をしているのですもの、おなつかしいアリョーシャ、わたしはあなたを愛しています、まだ子供の時分から――あなたが今とはまるで別人のようでいらして、モスクワ時代から愛していましたの、そして一生涯あなたを愛し続けていきますわ、わたしはあなたと一つになって、年とったら御いっしよにこの世を終わりたいと、自分の心の中であなたを選んだのでございます、けれど、必ずお寺を出てくださるという条件つきなのですよ、わたしたちの年のことでしたら、それは法律に定められた年になるまで待ちましょう、そのころまでには、わたしもきっと丈夫になって、一人で歩いたり、ダンスをしたりできるようになりますわ、そんなことは言うまでもないことでございます』『わたしがどんなに考えたかおわかりになってくださるでしょう、けれど、ただ一つ、どうしても考えつかないことがございますの、それは、この手紙をお読みになる時、わたしのことをどんな風にお思いになるだろうかということです、わたしはいつも笑ったり、ふざけたりばかりしてるんですもの、今朝だってあなたをすっかり怒らしてしまいましたでしょう……けれど誓って申し上げますわ、わたし今ペンを取る前に聖母様の御像にお祈りをしましたのよ、そして今でもやっぱりお祈りをしていますの、ほんとにもう泣きださないばかりでございますわ』『わたしの秘密はもうあなたのお手に握られてしまいましたわね、明日あなたがいらしてくださるとき、わたしどんな顔をしてお目にかかったらいいのかわかりませんわ、ああ、アレクセイ・フョードロヴィッチ、わたしがあなたのお顔を眺めているあいだに、また我慢ができなくなって、今朝とおんなじに、ばかみたいに笑いだしたりしたら、どういたしましょうね? きっと、あなたはわたしをいやなひやかしやだとお思いになって、この手紙だって本当にしてはくださらないかもしれませんわね、ですから、もしわたしを可哀そうだとお思いになったら、明日わたしのところへはいってらっしゃるとき、お願いですからあまりまっすぐにわたしの顔を御覧にならないようにしてください、わたしの眼があなたのお眼に出会ったら、きっと笑いだすに違いないんですから、だって、あなたは、あんな長い着物を着てらっしゃるんですもの……わたし今でも、それを思うと体じゅうがぞっとしますわ、ですから、はいっていらしても、しばらくはわたしの顔をちっとも御覧にならないで、お母様の方か、窓の方を御覧になってくださいましな……』『とうとう、わたしあなたに恋ぶみを書いてしまいましたわ、まあ、ほんとになんということをしてしまったのでしょう! アリョーシャ、わたしを軽蔑(けいべつ)しないでちょうだい、もしあたしたいへん悪いことをして、あなたを苦しめているようでしたら、どうぞお許しくださいまし、わたしのたぶん永久に滅びてしまった名誉の秘密は、今あなたの手の中にあるのです』『わたし今日はきっと泣きますわ、さよなら、恐ろしい再会の時まで、リーズ』『二伸、アリョーシャ、ただね、きっと、きっと、きっといらしてちょうだいね! リーズ』アリョーシャは驚愕(きょうがく)をもって読み終わった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...突きつけて「お母様を...
直木三十五 「南国太平記」
...お母様は森さんのことはどうお思いになっていらっしゃるの?」「森さんのこと? ……」私はちょっと意外な問いに戸惑いながら...
堀辰雄 「菜穂子」
...お母様の前ですけれど...
堀辰雄 「楡の家」
...ほんとなの?」お母様がさうおつしやると...
槇本楠郎 「かぶと虫」
...お父様もお母様も...
槇本楠郎 「母の日」
...お母様も直ぐ死んでおしまいになったので...
宮本百合子 「いとこ同志」
...西の対(たい)のお母様だけは優しくしてくださいます...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...お母様が、湛ももう大分大きくなったから、学校に遣(や)る前から、少しずつ物を教えて置かねばならないというので、毎朝仮名を教えたり、手習をさせたりして下さる...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...すなわち茲(ここ)にもまた二十年前の子どもとお母様とが...
柳田国男 「こども風土記」
...けれどもお母様のホントの不思議と申しますのは...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...僅かばかり来る作米と漢学のお礼のほかはお母様の押し絵や針仕事で立てておられましたので...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...私はお母様の方に向けられて足を投げ出したまま...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...お母様の変装かと思うほどよく肖(に)ておいで遊ばすことが...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...うちのお母様は根高弓子なんていいません...
夢野久作 「継子」
...お母様に会わせてくれるだろうね」「きっと...
吉川英治 「源頼朝」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??