...どなたか、お手数ですが、中にいる中村警部に、きょう昼ごろ裏門の番をしていた警官をつれて、いそいでここへ来てくれるように、お伝えくださいませんか...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...今日(こんにち)は御主人にお手数(てかず)を掛(かけ)たり...
関根黙庵 「枯尾花」
...お手数(てすう)はかけません...
太宰治 「春の枯葉」
...脈を見たり、薬を盛ったりしてやる時に、腹ん中じゃ、こう思ってんだね、手前(てめえ)たちゃ、道庵ほどの者にこうして脈を取らせたり、安くねえ薬を調合させたり、お手数をかけて、そうして生きていてもらわなけりゃならねえほどの代物(しろもの)じゃねえんだが、道庵もそれ、商売となってみれば、こうしてやらなけりゃ食って行けねえ、今いう通り、食って行くだけじゃ生き甲斐がねえ、食っての上に生き甲斐をもあらせようとするには、それ、一杯も飲まなくっちゃあやりきれたものでねえ、そこで、商売上やむことを得ずしてお前たちを助けようてんだ、あんまり大面(おおづら)をするなよ、と内心こう思って脈を取ったり、薬を盛ったりしているんですよ、正直のところ」「では先生、禅学のお方がよくおっしゃる、仏心鬼手なんておっしゃいますけれど、先生のは、それと違って鬼心仏手なんですね」「違えねえ――」と道庵がまた、額を丁と打ちました...
中里介山 「大菩薩峠」
...お手数をかけてすみませんが」「でもそういう前例がないんで」「じゃァ新しい例をひいてください...
久生十蘭 「ノア」
...お手数をかけないですむのでしょうが...
久生十蘭 「ノア」
...お手数ですが、扉を閉めてこちらへいらしてください...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...いろいろお手数をかけて相済みませんです...
松本泰 「暴風雨に終わった一日」
...とんだお手数をかけやして...
三好十郎 「樹氷」
...思はずヒーツと叫び声をあげる者もいる)……上(かみ)にお手数かけ申すまいぞ! 出ませい! 出ろ!百姓四 ああ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...代りに桶と杓(ひさご)をもらって往こう」「これはどうもお手数(てかず)でございました」安寿は身軽に立って...
森鴎外 「山椒大夫」
...あなたにはずいぶんお手数をかけた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...「どうもお手数をかけて済みませんでした」「礼は半次に云って下さい」兵馬は軽く笑って...
山本周五郎 「風流太平記」
...お手数かけました...
夢野久作 「女坑主」
...一度は必ず貴下のお手数を煩わすに違いないであろう...
夢野久作 「暗黒公使」
...お手数はかけません」「死骸はどこに隠した……この家(うち)の主人の死骸を……」「知りません」私は内心唖然とした...
夢野久作 「冥土行進曲」
...お手数をわずらわさずに...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...お渡しください』『それがお手数とあれば...
吉川英治 「夕顔の門」
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