...鶴の料理のお手前を拝見に往つたことがあつた...
薄田泣菫 「器用な言葉の洒落」
...お手前だって、やはり老人には候わずや...
太宰治 「花吹雪」
...先生の薄茶のお手前を拝見するという事になるんじゃないでしょうか...
太宰治 「不審庵」
...お手前にてお茶を下され...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...お手前物の百味箪笥の引出しをいちいちあけて...
中里介山 「大菩薩峠」
...餅屋のことをいえば餅屋――酒屋のことをお手前物のように...
中里介山 「大菩薩峠」
...道庵がお手前物の薬を盛る匙(さじ)を一本...
中里介山 「大菩薩峠」
...お手前ものの絵を描く気になれませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...「待っていることでございましょうな――」「お手前...
本庄陸男 「石狩川」
...「いやそれがしがなんでお手前に負けよう」などと言っていた...
森鴎外 「阿部一族」
...諸芸に堪能なるお手前の表芸(おもてげい)が見たしと申すや否や...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書(初稿)」
...「結構なお手前」と会釈する...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...「いかん、乱暴なことはいかん、二人を討たせさえすればいいんだ、この連中に罪はない、抜くな」「だがこいつらは滝川内膳の走狗(そうく)だぞ」「それとこれとは違う」秀之進はきっぱりと押えつけ、五人のほうへ刀をつきつけたまま、訓(さと)すような調子でこう云った、「お手前たち、ごらんのとおりもう役目は済んだ、お退きなさい」「…………」五人は抜いた刀を構えているのが精いっぱいで、反撃する元気もなく、といってすぐ逃げだすわけにもいかず、ひどく具合の悪い立場に立ってしまった...
山本周五郎 「新潮記」
...のう平馬殿……お手前はこの中(じゅう)...
夢野久作 「斬られたさに」
...話いたらお手前の不覚になるところであった」「……ハッ……」何かしらカーッと頭に上って来るものを感じた平馬は又も両手を畳に支(つ)いた...
夢野久作 「斬られたさに」
...それでもお手前のためには何よりの薬じゃったぞ」「……と仰せられますると……」「まま...
夢野久作 「斬られたさに」
...アッサリ云うてはお手前の修行にならぬ...
夢野久作 「斬られたさに」
...察するにお手前は...
吉川英治 「八寒道中」
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