...すぐに産土神(うぶすなのかみ)のお手元(てもと)に引(ひ)きとられる...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...お手元金をね、ふだんあれほど御用心なすって、枕もとのお手文庫へ、いざという時お手がかかるように備え置きの金子(きんす)ざっと三百両、あれをいったいどうなすったんですね」「それなんですよ、それを今、歯噛みをしながら口惜(くや)しがってるんですが、もう追っつかない、当座のお小遣だけは何とか工面して来たけれども、これから先を考えると心配でたまらないのよ」「そこでだ、そういうことには憚(はばか)りながら、色と慾との両てんびんをかけて抜かりのねえがんりきの百なんですから、あのきわどい場合に、ちょっとちょろまかしの芸当なんぞは、お手のものと思召(おぼしめ)せ」「何を言ってるんだか、よく、わからないが、ではお前さんが、その時にあれをちょろまかして持出しでもしたの、持出したとすれば、ここまで持って来て下すったの? まあ有難い、ほんとうに色男の御親切が今度ばかりは身に沁(し)みてよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...日本の政治は天子様のお手元へお渡し申さなくちゃいかん――という説を唱えたもんだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...これは高山の新お代官胡見沢(くるみざわ)の愛妾(あいしょう)お蘭どののお手元金であったのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...君にこのお手元金を取られてしまって...
中里介山 「大菩薩峠」
...宮のお手元に錦の御旗を置くことは...
中里介山 「大菩薩峠」
...遅くも明朝までにはお手元に届くことだろうと思いますが...
久生十蘭 「魔都」
...恩給はすっかりお手元に戻っているのですが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...月曜お手元につくでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...外の人の手に渡すよりあなたのお手元にあれば...
室生犀星 「陶古の女人」
...お手元(てもと)不如意(ふにょい)のために...
森鴎外 「渋江抽斎」
...お手元金を持って立ち退いたといっている...
柳田国男 「雪国の春」
...御隠家様(ごいんけさま)のお手元へまいった手紙によれば...
吉川英治 「江戸三国志」
...拙者が尋ねてお手元へ差上げましたなら」「ふム」「つまり...
吉川英治 「江戸三国志」
...これは、お手元に、お預りおきを」「供養(くよう)してやろう」と、鉄淵は、ふところに納めて、「……わしの用はすんだ...
吉川英治 「大岡越前」
...……じゃあお手元から先に洗おうか...
吉川英治 「新・水滸伝」
...御院代(ごいんだい)のお手元へ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...三位卿をへて太守のお手元へ差し出してしまった」「また見えすいた嘘をいうぜ」と...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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