...女中は感に堪(た)えてか、お愛想か、「お羨(うらや)ましいことねい」「アハヽヽヽヽ今日はそれでも、羨ましいなどといわれる身になったかな」おとよは改めて自分から茶を省作に進め、自分も一つを啜(すす)って二人はすぐに湖畔へおりた...
伊藤左千夫 「春の潮」
...わたしは自然に対するお愛想のつもりで味わってみた...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...われわれの客間(パーラー)の言葉そのものがすべてのその活力をうしなってまったくお愛想(パーレーヴァー)に堕落してしまうのではないかと思われ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...こんなお愛想の一つ二つも並べて...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...かくて、女性がこれぞと思う作家に狙(ねら)いをつけて、これをサロンに手なずけておこうという段になると、彼女はお世辞、お愛想、お追従(ついしょう)の限りをつくして包囲攻撃を加える」……ふん、フランスじゃそうかも知れないけれど、このロシアじゃ、そんな目論見(もくろみ)もへったくれもありゃしない...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...しきりにお愛想を振りまいたが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...」病人はくっつけたようにお愛想を言った...
徳田秋声 「足迹」
...お袋はお愛想を言いながら...
徳田秋声 「足迹」
...無愛想な産婆もお愛想笑いをして猪口(ちょく)に口をつけた...
徳田秋声 「黴」
...本当に今日(きょう)はお愛想(あいそ)もございませんで...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...これがあの土地のお愛想なんだからな...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...茶店の主人は朴訥なお愛想の調子で私に話すのだった...
豊島与志雄 「逢魔の刻」
...精一杯お愛想をしましたよ」「用事は?――まさか八五郎を口説(くど)きに行つたわけぢやあるめえ」「お察しの通りで――近頃加島屋に妙なことがあるから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...おれたちがいうと Can't はキャーントになってカーントといえないなんてお愛想をいってくれた...
久生十蘭 「だいこん」
...待っていて少しお愛想するものよ」「ええ...
久生十蘭 「魔都」
...要らざるお愛想をいったということになる...
久生十蘭 「魔都」
...お愛想(あいそ)に...
吉川英治 「私本太平記」
...母はお愛想を云うのさえ顔を紅(あか)らめてしまう風だし...
吉川英治 「忘れ残りの記」
便利!手書き漢字入力検索