...新しいお客(きゃく)があったってね...
ハーバート・ジョージ・ウエルズ 海野十三訳 「透明人間」
...大抵のお客は挨拶(あいさつ)にマゴマゴしてしまった...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...このみすぼらしいテント店にはこのごろお客もめったに入らないので...
海野十三 「一坪館」
...その夜のお客は、師匠東雲先生、お若の養母おきせさん、仲人の高橋定次郎氏、私の兄の家内に、両親、我々両人、その他一、二名と覚えております...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...急にそつけなくすると他のお客のテーブルへ行つた...
武田麟太郎 「一の酉」
...心易いお客さん皆に...
太宰治 「鴎」
...お客様たちは閉口して...
太宰治 「水仙」
...見たいと思うお客は馴染(なじみ)の茶屋から口をかけて呼んでもらうのである...
永井荷風 「裸体談義」
...この床屋の店先で、「どうです、皆さん、大きな声では読めねえがこんなものが出ましたぜ」「何でございます」「まあ、読むからお聞きなさいまし」「聞きやしょう」懐ろから番附様のものを取り出して、お客の一人が、「ようございますか、恐れながら売弘(うりひろ)めのため口上……」「なるほど」「此度(このたび)徳川の橋詰に店出(みせだし)仕り候家餅(いへもち)と申すは、本家和歌山屋にて菊の千代と申弘(もうしひろ)め来り候も、此度相改め新製を加へ極(ごく)あめりかに仕立(したて)趣向仕(つかまつ)り候処、これまで京都堺町にて売弘め候牡丹餅(ぼたもち)も少し流行に後(おく)れ強慾に過ぎ候、三条通にて山の内餅をつき込み……」「ははアなるほど、御養君の一件だね、誰がこしらえたかたいそうなものを拵(こしら)えたものだが、うっかりそんなものは読めねえ」「ナニ、御威勢の盛んな時分ならこんなものを拵える奴もなかろう、拵えたって世間へ持って出せるものではねえが、何しろ今のような時勢だから、公方様(くぼうさま)の悪口でも何でもこうして版行(はんこう)になって出るんだ」「それだってお前、滅多(めった)にそんな物を持って歩かねえがいいぜ、岡ッ引の耳にでも入ってみろ、ただでは済まされねえ」「大丈夫だよ、何しろ公方様の御威勢はもう地に落ちたんだから、とてもおさまりはつかねえのだ、ああやって貧窮組が出来たり、浪人強盗が流行(はや)ったり、天誅(てんちゅう)が持ち上ったりしている世の中だ」「悪い悪い、公方様の悪口なんぞを言っては悪いぞ」「かまうものか、公方様も今時の公方様は、よっぽどエライ公方様が出なくちゃあ納まりがつかねえ、このお江戸の町の中で、お旗本よりもお国侍の方が鼻息が荒いんだから、もう公方様の天下も末だ」「なんだと、この野郎」「なんでもねえ、実地のところを言ってるんだ」「野郎、ふざけたことを吐(ぬか)すな、このお膝元(ひざもと)で、永らく公方様の御恩になっていながら、公方様の悪口を言うなんて飛んでもねえ野郎だ」雑談が口論となり、口論が喧嘩になろうとするところへ、「まあまあ、皆さん、お静かになさいまし」現われたのは、問題の片手のない中剃(なかぞ)りの上手な親方...
中里介山 「大菩薩峠」
...「お客樣は東京からこんなところに...
林芙美子 「旅人」
...お客好きの地主となって...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...わけもなくお客たちはシーンと魅されてしまって十二分以上に演った圓生が「ではこの続きはまた明晩」と結んだとき...
正岡容 「小説 圓朝」
...大尽遊びをきめ込んでいる一見(ふり)のお客からなんべんもなんべんもちょいと百両立て替えてくれとアッサリ頼まれるところがある...
正岡容 「寄席」
...お若いお客さまの方は大抵はそうやって真剣にやり合っていらっしゃるんです...
山本周五郎 「新潮記」
...かような次第でございますから何卒お客様御一同に対しまする当曲馬団の誠意の程を御酌量賜わりまして...
夢野久作 「暗黒公使」
...しかもお客は前首相...
吉川英治 「紅梅の客」
...下でお客とお客の喧嘩だという...
吉川英治 「新・水滸伝」
...「お客かえ、あの若い衆は」小女に訊くと、「はい...
吉川英治 「宮本武蔵」
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