...「お初に(といってちょっと頭を下げた)二人とも美しいねえ」そういって貞世の顔をちょっと見てからじっと目を愛子にさだめた...
有島武郎 「或る女」
...お初にお目に懸(かか)りまする...
泉鏡花 「婦系図」
...「大統領閣下お初にお目に懸ります...
薄田泣菫 「茶話」
...その三代目璃寛のお初については哀れな逸話が残つてゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...「―――お初にお目に懸ります...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...お初にお目にかかります...
中里介山 「大菩薩峠」
...お初にお目にかゝります」入口から見透しの六疊ににじり入つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お初にお目にかかったとも思われませぬが――」そこの引戸に手をかけていた役人は...
本庄陸男 「石狩川」
...お初に寄り添うと...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「島抜けッて! お前さん、佐渡(さど)でも破って来なすったことがあるのかえ?」島と言えば、誰にも思い及ばれるのが佐渡、その島には、お初には初恋の、長二郎泥棒が送られたなり、今ごろは、生きて難儀をしているか、死んで地獄へ行っているかわからないのだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お初にねだられて...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お初に酌をさせに下りて来ようと思い立つまで...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...どうせ、やくざ浪人、すぐ抜いて来るだろうが、そいつらあ、いい加減に、どこまでも、お初に、ぐッと引ッついて、逃がしちゃあいけねえぜ」――お初! お杉!同心の唇から漏れた、その名ほど、闇太郎をびっくりさせたものがあるであろうか!さすがに、棒立ちになろうとしたが、じきにいつもの彼に帰って、捕物隊が、かたまって、こっちに目が無いのを幸いに、ぴたりと、つい其所(そこ)の天水桶(てんすいおけ)に吸いついてしまうと、夜の蝙蝠(こうもり)が、のぞいて見てもわからぬ程だ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...その恩義というのを母自身の口から喧ましくきかされてきたお初にとっては何かにつけてこの恩義が(しがらみ)になっている...
矢田津世子 「神楽坂」
...お初には自分から取りのけるということが出来ない...
矢田津世子 「神楽坂」
...お初には何んとしても承知が出来ないのだ...
矢田津世子 「神楽坂」
...おっ母さんのかねがねの念願はお初に金持ちの旦那をとらせて小料理屋か待合でも出してもらって...
矢田津世子 「神楽坂」
...……お初におめにかかります」「ああそうだろう...
山本周五郎 「長屋天一坊」
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