...お初どのも小督(こごう)どのも...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...お初穂であろうとも...
中里介山 「大菩薩峠」
...お初の可愛らしさは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お初自身にこの上もない良縁が纒まり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...源七はむくりと起きてお初と一聲大きくいふに何か御用かよ...
樋口一葉 「にごりえ」
...雪之丞、毒蛇のように、火を吐かんばかりに、みつめて来る、相手をチラリと見返して、――思い直してくれればいいのに、何という執念ぶかさ!「何をじっと見ていなさるのさ」お初は、手酌で、杯をふくみながら、「あたしの顔が、蛇にでもなったの? 角でも生えたの?」「ではこういたそうかしら」と、雪之丞は、強(し)いたやさしさで、「折角の、そなたの心持、このまま、別れてしまうのも、何となく、わたしも心淋しい――さりとて、この家では、どういたそうとて、人目もある――」「ま!」と、お初は、急に、生き生きと、躍り立つような目顔になって、「嬉しい!」「大分更けたようだし、そろそろこの家を出た方が――」「で、これから、どこへ行くつもり」お初は、猪口を、器用に、水を切って、「外は寒いから一つおあがんなさいな」雪之丞は、うけたが、呑まずに、膳に置いた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...燃(も)え焦(こが)れたお初...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...この部屋へ引き出して来たら悪いだろうが、あの、窓ひとつ大きくは切ってねえ窖(あなぐら)なら、ちょいと、話をして酌をさせたところで、逃げられる気づけえは、断じてねえ――それによ、あの女だって、軽業お初と、あっぱれ異名も持った奴、ひょんな破目(はめ)で、敵味方になったといってあんまり辛(つら)く当るのも、泥棒仲間の、仁義(じんぎ)道徳にかけるというもんだ――あれだって、茶碗ざけの一杯も、たまにはやりたいだろう...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お初は、空徳利を、振って、「何だねえ、もうおつもりじゃあないか?」よくまあ、こんなしたみ酒を呑ませに来た――けちな奴だ――と、いいたげな目つきだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...この息抜きもないような窖(あなぐら)で、出入口は、厳重な木襖(きぶすま)じゃあないか――それを、ぴッたり閉めて、錠を下されたからにゃあ、たとえ、あたしが忍術使いだって、脱けられッこはないじゃないかね?」「だって、おめえは、軽業お初とも、異名を取った、途方もなく身軽な女の子だというから――」「いかに身軽なあたしだって、厚い木ぶすまは、どうにもならないよ」「じゃあ、安心して酒買いに出かけて来るか?」「ああ、安心して、行って来さッし」と、問答があって、法印、やっと決心がついたように、空徳利を提げて立ち上った...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「さあ、御返杯」と、ぐうと、一息に干したのを献(さ)す、お初...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お初は、今度こそ決心を固めた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お初の前で披瀝(ひれき)して...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...女賊お初にたぶらかされ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...文吉は持っていただけの銭を皆お初穂に上げた...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...お初には母のそつのなさがどうにも我慢がならない...
矢田津世子 「神楽坂」
...爺さんが袋町へ無沙汰がちになっているのは何もお初が急に忌々しくなって...
矢田津世子 「神楽坂」
...お初穂(はつほ)はまず家の神棚(かみだな)に上げるほかに...
柳田国男 「海上の道」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??