...「大統領閣下お初にお目に懸ります...
薄田泣菫 「茶話」
...女房はお初(はつ)といひて二十八か九にもなるべし...
樋口一葉 「にごりえ」
...刺すように叫んでお初...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お初姐御の仕事は...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...が、お初に取っては、今夜、この役者の宿で、こんな密話を聴こうとは全然予期していないことだ、思いもかけぬ物語だ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...軽業のお初さんが...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...――何というおそろしい執着だろう! この女は、わしの見かけに寄らぬ腕は、十分知っているだろうに――いのちを賭けて横恋慕をしているのじゃ――さて、どうしたら?「ここまで来れば、二つに一つさ」と、お初は、炎のような息を吐いて、「あたしの心を受けてくれるか――それともあたしを敵にまわすか――」「もし、わたしが、そなたを突きのけたら――」「さっきからいっているように、鐘の中に逃げ込んでも、蛇体になって巻きついて、お前のからだを熔(と)かしてやるよ――あたしは、お前が、どんな人達を、敵としてつけ狙っているか、ちゃあんと知っているのだからね...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ほとんど、真の闇の、山ノ宿裏道の真夜中――人ッ子一人通るはずがないのだが、その時、思いがけなく、駆けゆくお初の行手から、二人づれの、黒い影――「何じゃ! 夜陰に?」と、武家言葉が、とがめるのを、お初、「おたすけ下さいまし、いま、あとから乱暴者が――」「なに、乱暴者?」と、一人が、透かして見て、「おお、なるほど――」雪之丞、とんだ邪魔がはいったと、ハッとしたが、お初を、どうしても、このままには逃せないのだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...この部屋へ引き出して来たら悪いだろうが、あの、窓ひとつ大きくは切ってねえ窖(あなぐら)なら、ちょいと、話をして酌をさせたところで、逃げられる気づけえは、断じてねえ――それによ、あの女だって、軽業お初と、あっぱれ異名も持った奴、ひょんな破目(はめ)で、敵味方になったといってあんまり辛(つら)く当るのも、泥棒仲間の、仁義(じんぎ)道徳にかけるというもんだ――あれだって、茶碗ざけの一杯も、たまにはやりたいだろう...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...問題の木ぶすまを開けて出て、振り返って、おぼろな、裸火で、じっと、お初をみつめて、「ほんとうに、大人(おとな)しくしていてくれなきゃあいけねえぜ」「駄目を押しすぎるよ、いい悪党の癖(くせ)にさ――」法印は、ニヤリとして、締りをしめると、太い止め釘を、ぐっと差し込んだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...黒門町の姐御!お初は...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...うんと責めてやろうじゃアありませんか――」お初の目は...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...どうせ、やくざ浪人、すぐ抜いて来るだろうが、そいつらあ、いい加減に、どこまでも、お初に、ぐッと引ッついて、逃がしちゃあいけねえぜ」――お初! お杉!同心の唇から漏れた、その名ほど、闇太郎をびっくりさせたものがあるであろうか!さすがに、棒立ちになろうとしたが、じきにいつもの彼に帰って、捕物隊が、かたまって、こっちに目が無いのを幸いに、ぴたりと、つい其所(そこ)の天水桶(てんすいおけ)に吸いついてしまうと、夜の蝙蝠(こうもり)が、のぞいて見てもわからぬ程だ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お初の甲高(かんだか)な...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...爺さんに貰った幣(さつ)を帯の間へ挟んで鏡台の前を立ったお初は梯子段のところまで行って...
矢田津世子 「神楽坂」
...母への気兼ねからお初は剥き出しには話をしなかったが...
矢田津世子 「神楽坂」
...「あの人にゃ気をつけなくちゃなんねえだよ」お初という娘が杢助に囁いた...
山本周五郎 「似而非物語」
...「矢代さんお初つに来てくだすったのに...
横光利一 「旅愁」
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