...「あのお人形のやうなお初が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お初は別に、闇太郎のように、この館(やかた)の研究がつんでいるわけはない...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...と、お初は、裏梯子の、上りつめたところで立ち止まったが、ふと、その表二階の、すっかり灯の消えた部屋部屋の、一番奥の一間に、かすかにあかりが差しているのを認めた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お初は、じれったそうに、口を引き曲げるようにして、いくらか、頬さえ紅くしながら、「あたしは、自分でも、自分がわからない位なんですよ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お初は、新しい茶碗を一口飲んで、ふうと、息を吐いて、「おいしいこと――あたしだって、実は、お坊さんだって、もう少し早く、何とか気を利かして、寝酒の一杯も、差し入れてくれそうなものだと思っていたのだよ――柄(がら)こそ不意気(ぶいき)だが、どこかこう乙(おつ)なところのあるお人なんだから――」「へ、へ、へ、油をかけちゃあ困るぜ、姐御――だが、おいらにも、相当に苦労があるんで、今のところは、人さまのおっしゃるままになっていなけりゃあならねえのサ」「時世時節じゃ、屋形船にも、大根を積むとかいうからね――はい、御返盃!」法印、茶碗は受けたが、もう、生憎(あいにく)、白丁は空だ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...こんなところで世を忍んでいるわけなのだよ」お初は...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「もういけねエ――お初つぁん...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...と、お初は、ここで、限りなく嘲(あざけ)って、口ではしおらしく、「ほんとうに、あとでは思い当りましたけれど――」そして、打って返すように、見返して、「でもあの節、あなたさまも、あの者と前からお知り合のようにも見うけましたが――」平馬の眉根は、憎みで、毛虫がうごめくように寄せ合わされた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お初は、横顔を見せながら投げやりに笑い出した...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...どこへ行ったものか――と、考えるまでも無く、お初は、所々に隠れ家を持っている...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お初を睨(ね)め上げる...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お初ちゃんの細い細い...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「お杉さんは、何もいいはしますめえが、あそこには、雇婆(やといばば)あもいるし、――万一、底が割れたら、もうじき奴等が押しつけて来るものと思わなけりゃあ――」吉が、そう答えたとき、お初はもう、すっと立ち上っていた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...勿論(もちろん)素早いお初...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...文吉は持っていただけの銭を皆お初穂に上げた...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...奇麗でしょう」お初は立ったなり金魚鉢を爺さんの眼の高さにつるした...
矢田津世子 「神楽坂」
...爺さんに貰った幣(さつ)を帯の間へ挟んで鏡台の前を立ったお初は梯子段のところまで行って...
矢田津世子 「神楽坂」
...――お初は爺さんの内儀さんになった自分を考えるだけでもみじめな気がする...
矢田津世子 「神楽坂」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??