...「お初に(といってちょっと頭を下げた)二人とも美しいねえ」そういって貞世の顔をちょっと見てからじっと目を愛子にさだめた...
有島武郎 「或る女」
...此お初ちやんがさうした女塾へ新弟子として入つてくる所から此小説ははじまつてゐる...
今井邦子 「水野仙子さんの思ひ出」
...ピュスラージュはお初という事になる...
辰野隆 「二人のセルヴィヤ人」
...お初にお目にかかりやす...
直木三十五 「南国太平記」
...「お初、おめえ、大それたことをやらかしているんじゃああるめえな?」ジロリと、鋭い、まなこだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「あたし、大それたことなんざあ、なんにもしやあしないさ」「が、ふところが、いつも不思議だぜ」と、長二郎が、首を振るようにして、「無間(むけん)の鐘や、梅(うめ)が枝(え)の手水鉢(ちょうずばち)じゃああるめえし、そんなにおめえの力で――」一二今自来也の長二郎から、――無間の鐘をついたわけでもあるまいし、いつも、あんまりふところが豊かすぎる――何か、大それたことをしているのではないか――と、そう問い詰められた、軽業のお初は、苦にもせずに笑ってしまった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...人を馬鹿にしてやがら!お初は木蔭をはなれると...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...爛熟(らんじゅく)のお初だ――じりじりと...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...世の中では、河原者の身分ちがいのとさげすんでいる、舞台ッ子にさえ、わけへだての目で見られなけりゃあならないなんて――あたしだって、小屋もののむすめなんぞに生れなかったら、女だてらに、こんな渡世には落ち込んではいなかった、それを考えると、ときどきこれでも、遅まきながら改心して――なんて考えることはあっても、また、やけのやん八になってしまうんですよ」闇太郎は、お初の、そうした愚痴に、同情しないではない――が、彼は聴き度くない...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...先生」二一お初は...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お初をたずねださねばならぬゆえ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...――うう、くやしいッ!と、お初は、わが身をつかみしめる...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...文吉は持っていただけの銭を皆お初穂に上げた...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...何かの急用で袋町へ爺さんを呼びにやらされる時はへんにお初へこだわって...
矢田津世子 「神楽坂」
...お初は内儀さんが悪いときいてからは妙に気が落付かない...
矢田津世子 「神楽坂」
...お初はみじめでならない...
矢田津世子 「神楽坂」
...これに較べてお初は欲しいというものは何んでも身につけている...
矢田津世子 「神楽坂」
...しょうのないお初だこと」「今日は二十一日だ」と彼は遮って云った...
山本周五郎 「五瓣の椿」
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