...「六年間只奉公(ただぼうこう)してあげくの果(は)てに痛くもない腹を探られたのは全くお初(は)つだよ...
有島武郎 「親子」
...根本松江氏もお初ちやんも何か書いてゐる...
今井邦子 「水野仙子さんの思ひ出」
...ほかにお初さんの分が一分――山吹色のできたての小判だぜ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...イヤ何うしても置かれぬとて其後は物言はず壁に向ひてお初が言葉は耳に入らぬ體...
樋口一葉 「にごりえ」
...お初穂を神棚に供え...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...けれども、お初は、恋にかけても、強(した)たかなつわものだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お初の口をふさがねばならぬのだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...――おや――と、聴き耳を立てて、法印、口に出して、独りごと――――あの、軽業お初女郎、勝気な奴だが、さすがに、ろくろく寝つけねえと見えるなあ――だが、俺も、この庵室(てら)ずまいをしはじめてから、かどわかされの女の子を預かる内職をはじめて、かなりああいう代物(しろもの)を手がけたが、あいつのように根性骨の突っ張った奴は、逢ったことがねえぜ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...毒酒じゃああるまいね?」お初は...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...この息抜きもないような窖(あなぐら)で、出入口は、厳重な木襖(きぶすま)じゃあないか――それを、ぴッたり閉めて、錠を下されたからにゃあ、たとえ、あたしが忍術使いだって、脱けられッこはないじゃないかね?」「だって、おめえは、軽業お初とも、異名を取った、途方もなく身軽な女の子だというから――」「いかに身軽なあたしだって、厚い木ぶすまは、どうにもならないよ」「じゃあ、安心して酒買いに出かけて来るか?」「ああ、安心して、行って来さッし」と、問答があって、法印、やっと決心がついたように、空徳利を提げて立ち上った...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...万に一つ、間違いのないところを、お初は、まるで、女うらないでもあるように、いって退(の)けた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ほ、ほ、ほ、ほ」お初が、冷たい凄い笑いを浴びせかけた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...雪之丞の前に歩み寄るお初――闇太郎は...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...母のそつのなさをみせられるたびにお初は自分を恥じて顔を赧める...
矢田津世子 「神楽坂」
...お初は藤紫のショールの端で軽く鼻のあたりを覆うて...
矢田津世子 「神楽坂」
...墓地の小径をひきかえしながらお初が...
矢田津世子 「神楽坂」
...しょうのないお初だこと」「今日は二十一日だ」と彼は遮って云った...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...『……お初に』は...
吉川英治 「紅梅の客」
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