...『ことにここのお内儀(かみ)はひどい女で...
梅崎春生 「狂い凧」
...お内儀さんの方は少しく趣きを異にして...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...小野さんのお内儀(かみ)さんが来ているんですって……...
徳田秋声 「新世帯」
...お内儀さんはしょッちゅうそッちに行っていることや東京にも……ちゅウのがあるかとか...
徳永直 「冬枯れ」
...お内儀さん……」恨めしそうに後ろを向きながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...「どうぞねえお内儀(かみ)さん」老母(ばあさん)もいつた...
長塚節 「土」
...お内儀に番所まで來て貰はうかえ」錆(さび)のある聲が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「だから、お内儀のお篠が、自分とあまり年の違はない繼子(まゝこ)の幾太郎を殺すつもりで、間違つて梅吉を殺したとしたら、わざ/\櫛なんか置いて來る筈はあるまい」「――」「昨夜は良い月だつたな...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お内儀さんは酒が好きか」平次の問ひは途方もないもので...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「今に、今に、お内儀さんも、斯うなりますよ、――誰が一體、私に、私に毒を」わけのわからぬ事をわめくと、お小夜の手は鈎(かぎ)の如く曲つて、十本の指は、喉から胸へと、滅茶々々に掻きむしりながら、耻(はぢ)も外聞もなく、その邊をのた打ち廻るのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「お内儀とお嬢さんが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お茶汲みを皆んな坊主にされちや困るでせう」「お内儀は?」「良い年増だが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「お内儀さんと、お君さんは義理ある仲だと聞いたが」八五郎の乘出すのを、眼顏で押へて、平次は斯う訊ねました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お内儀(かみ)さんが出て来て座敷に坐り込んで頻(しき)りに客の取持(とりもち)をすると...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...元木は「大久保彦ぜえ門のお内儀さんは意地悪るばばあだったのかい」と一気に叫びつづけ...
本庄陸男 「白い壁」
...銅鑼亀(どらかめ)のお内儀(かみ)さんの声がして...
吉川英治 「醤油仏」
...よろしき夜にて候聟どのも、ほどなくまいり語らうべく先はかしく書いて、それを持って、「お内儀、お内儀」硯筥(すずりばこ)を取ってくれた近所の細君へ示してたずねた...
吉川英治 「新書太閤記」
...若いお内儀を窓から引っぱなして...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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