...わかきもののおろかさあの空つぽの穴がなぜお前のために水を溢れさせよう私のためには水を溢れさせなかつたのに? 私は待ちに待つたがもう五十年以上も井戸は涸れてゐて海の非情の風が朽葉をふき散らすのを見るばかりだつた青年それではある時あの井戸に水の出て来ることがあると見える老人それはこのさびしい山にをどる聖い影ばかりが知つてゐる神秘の一瞬間だ人間は誰も知らない...
ウイリヤム・バトラ・イエーツ 松村みね子訳 「鷹の井戸(一幕)」
...人間のおろかさは...
太宰治 「新ハムレット」
...自分のおろかさをあはれみいたはりつゝ...
種田山頭火 「其中日記」
...失政を氣づかないおろかさといふものは...
林芙美子 「ボルネオ ダイヤ」
...彼のおろかさから来たわざわいのすべてをもと通りにしてくれる筈の...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...親の愚かさよりつれ合いのおろかさは何倍かしのぎにくい...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...経之はふたたび庭に下りてはぎ野を趁(お)うことのおろかさを感じた...
室生犀星 「野に臥す者」
...びっこをひきひき自分のおろかさや...
山本周五郎 「季節のない街」
...おれのおろかさはよそおっているものではない...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
...鎖生活に馴れた畜生のおろかさを憐んだという...
山本宣治 「猿の演説」
...ばかでしょうか、奥方の心事は」「あわれむべき、おろかさです...
吉川英治 「大岡越前」
...それははつきりした人間のおろかさと...
吉川英治 「折々の記」
...このおろかさの偉大は...
吉川英治 「折々の記」
...かれのさうしたおろかさこそ尊くてたまらないものなのである...
吉川英治 「折々の記」
...あれほどわしが兵学を仕込んだ正成がと思えば、その起(た)ち上がりの下手(まず)さ、おろかさ、腹立たしいばかりぞ...
吉川英治 「私本太平記」
...おろかさ、物騒さ、見てはいられようか」「…………」「清忠、まろの顔を見て、何をあきれ、何をかおののく? ……...
吉川英治 「私本太平記」
...人間が、穴に相寄り、部落をつくり、社会のかたちを持ってから、ついに、その禍(わざわ)いの大を、またおろかさも、知性にわかりきっていながら、なおやめるにやめられないでいるすさまじい宿業(しゅくごう)の修羅...
吉川英治 「新書太閤記」
...それを不審がる自分の老いには気のつかぬおろかさに...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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