...それをみておろおろと泣く...
小穴隆一 「二つの繪」
...細君は一層おろおろして...
高見順 「いやな感じ」
...ヨシ子は、何か、自分がヨシ子の身代りになって毒を飲んだとでも思い込んでいるらしく、以前よりも尚(なお)いっそう、自分に対して、おろおろして、自分が何を言っても笑わず、そうしてろくに口もきけないような有様なので、自分もアパートの部屋の中にいるのが、うっとうしく、つい外へ出て、相変らず安い酒をあおる事になるのでした...
太宰治 「人間失格」
...正面の廊下から黄瑞露がはいって来ておろおろしている...
林不忘 「安重根」
...ただおろおろとするばかりの一途の私の感情であった...
永井隆 「この子を残して」
...おろおろ声になるほどの嘆願でありましたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...おろおろしているのは真物(ほんもの)の聟...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ただもうおろおろして...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私はもう自分も殺されるような気がして」とおろおろするばかりです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...おろおろと舌をもつらせながら...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...お前は学校の子になっちゃって二度と帰ってくんな」母親はおろおろしはじめた伜(せがれ)の汚い顔をじっと睨(にら)め「なあ富次...
本庄陸男 「白い壁」
...ああああ!」俺はおろおろして火箸を取るのであつたが...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...おろおろになって「あの...
宮本百合子 「一刻」
...女は私の目にも判るほどおろおろした...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...おくみはおろおろと涙を拭き...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...ぼくらはおろおろ泣くだけだった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...そんな時の母のおろおろ姿は見ていられなかった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...その城へルパンを捕えに警察の者を案内したバルメラ男爵!「あなたが……あなたが……じゃああなたなんですか!」とボートルレはおろおろ声...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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