...とにかくおれは、ちゃんとこの二つの眼で鞄の化物を見たんだから……」と、その目撃者はたいへん自信に充ちて放言(ほうげん)したという...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...「おれ、うれしくってたまらないよ...
江戸川乱歩 「奇面城の秘密」
...おれは何も道風とやらに教えようと思って...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...おれは今まで散々したい放題のことはして来た...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...『いったいあいつはおれにビンでもほうりつけてもらいたい気なのか?』と...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...」そんな話をする彼を、おれは、文学者か画家かでもあろうと思った...
豊島与志雄 「早春」
...それはおれの家に二反の畑さえあれば...
中里介山 「大菩薩峠」
...おれはちょっとかんがえたことがあるンだが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...おれは過去にこんな経験を持たぬので...
久生十蘭 「黒い手帳」
...「おれは、こういう愚図(ぐず)が死ぬほど嫌いなんだ!」そして、今度は声を張りあげて、こう言い足した...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...おれが地下室のカギを取ってくる...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「悪の帝王」
...「おれに用でもあるのか」「米屋の市兵衛です...
山本周五郎 「あだこ」
...そうして「おれたちのせいじゃない」と思ったり...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...「水くさいと思うのさ」九兵衛はジロリと彼のうしろにある紙片を見ながら、「こうして、二人の身状(みじょう)を預かっている以上、たとえ、どんな事があっても、仲間を裏切るような真似はしないつもりだが、この間から見ていれば、何か、おれには秘(ひ)しかくしにして、外とつなぎを取っている様子、どういう方寸か知らないが、この秦野屋の奥を帳場に構えて、仕事の算盤をハジキながら、この九兵衛に、ふッつりとも打ち明けてくれねえのは面白くない」「もっともだ」日本左衛門はうなずいて、「実はそれについちゃ、この間から、話した方がいいか、話さぬ方がおめえの為か、おれも、迷っていたところなのだが……、そういうならば恰度(ちょうど)いい折、九兵衛、念のためにそこらを……」と、目くばせして、庭先や部屋の外に、立ち聞く人もあるやと注意ぶかく見廻しました...
吉川英治 「江戸三国志」
...おれは、きのうから、体じゅうが、炎のように燃えている...
吉川英治 「大岡越前」
...ありのままを、お答えするとして、一たん御復命しておくがよかろう」「いやっ、おれは」と、義平太が、もがいて、友の腕から脱けようとするのを、二人は、しっかと抑えて、「おいっ、どこへ行く...
吉川英治 「大岡越前」
...「一体おれが物好き過ぎる……」反省心が出てきたらしい...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...……おれも一寝入りしてから道場へ出るよ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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