...城門の深いアーチ型の通路が篝火(かがりび)でおぼろげに照らされているところまできたとき...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「幽霊花婿」
...義雄はこんな大膽なおやぢになつて見たいと、おぼろげにだが、思つたことがある...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...林助手にはそれがおぼろげに分っていた...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...おぼろげにわかって来た...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...おぼろげに見えた...
太宰治 「地球図」
...おぼろげに覚えている幼顔そのままの興娘の姿が微に思い出された...
田中貢太郎 「金鳳釵記」
...ただおぼろげに、きっとああ云うスタイルなら手足の恰好(かっこう)も悪くはなかろうと、着物の着こなし工合から想像していただけでした...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...おぼろげに心愉しくなっていくようでもあった...
豊田三郎 「リラの手紙」
...おぼろげに心に浮んでくる...
久生十蘭 「キャラコさん」
...恥かかせるようなもんやわ」そんな騒ぎをおぼろげに聞いていて...
火野葦平 「花と龍」
...巨大な学校の建物の主要部がおぼろげに空に聳えているのを見て...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...その時乳母の家の藁葺(わらぶき)家根が見えた時のことをおぼろげに記憶している...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...何でも彼んでもを吸取紙の様に吸うその頃の頭の中におぼろげにでも奇麗な感情をつぎ注いで置くのがいいんです...
宮本百合子 「現今の少女小説について」
...記憶が稍(やや)おぼろげになってはいるが又却(かえっ)てそれが為(た)めに...
森鴎外 「百物語」
...自分でもおぼろげに覚えている...
山本周五郎 「菊千代抄」
...おぼろげに記憶しているだけで...
山本周五郎 「さぶ」
...と彼はおぼろげに思った...
山本周五郎 「へちまの木」
...おぼろげに感じとった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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