...やはりおどけた虚構には違ひないのであるが...
太宰治 「津軽」
...おどけた口調にかえって...
太宰治 「火の鳥」
...もうそれだけで何処かおどけたところがあった...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...団扇の微妙な動かし方一つでおどけた四角の紙の獅子(しし)が...
寺田寅彦 「錯覚数題」
...なんであったか忘れたが学問には関係のないおどけた冗談を言ったりして珍しい笑顔(えがお)を見せたこともあった...
寺田寅彦 「B教授の死」
...荘重な意義があるにも拘らず問題そのものとしてはお噺のような仮説的なおどけたものになるのである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...陶器修理者のおどけた蘆笛(あしぶえ)の遠音...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...おどけた身振で手に取って香を嗅ぎ...
豊田三郎 「リラの手紙」
...何んかこう魔(ま)が射(さ)すんですね」八五郎はおどけた調子でこう言いました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...石材屋の前のおどけた狸(たぬき)のおきものを眺めたり...
林芙美子 「貸家探し」
...案山子(かかし)のおどけた顔が...
火野葦平 「花と龍」
...二加藤が稍おどけたジエスチユアと一緒にたうとう試みた演説に依ると――二十八号室の大森君の部屋に今日も亦「例の佳人」――即ち吾々のケテイが訪れてゐる...
牧野信一 「女に臆病な男」
...たしかそんな意味合ひのおどけた童謡で...
牧野信一 「心象風景」
...おどけた眼つきで此方を見あげた...
牧野信一 「泉岳寺附近」
...おどけた武張つた調子でそんなことを云つた...
牧野信一 「まぼろし」
...おどけた恰好(かつこう)の男の子が突つ立ちました...
槇本楠郎 「掃除当番」
...おどけたきもちで受け容れるか...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...赤い帽子の孫娘がさし出す人形をおどけた呑気な顔で診察する真似をしてやってる絵だ...
宮本百合子 「『キング』で得をするのは誰か」
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