...そんな私たちの隣に、山の手から浅草に遊びに来たらしい、そう身なりはよくないが、おっとりした、感じのいい老人夫婦が、――二人でひとつのテーブルなのだから、向い合って坐ったらよさそうなものに、テーブルの角に、お互いに身体をすりよせるようにして、ちんと坐っていた...
高見順 「如何なる星の下に」
...ね」神中の声は昔ながら穏かなおっとりした声であった...
田中貢太郎 「雀が森の怪異」
...お久も事のあらましは聞いているのに違いなかろうが、例のおっとりと、音も立てずに運ぶものを運んでしまうと、何処へ行ったのか、すだれ越しに透かされる部屋と云う部屋には姿も見えない...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...太郎はおっとりして愛嬌(あいきょう)があって...
寺田寅彦 「子猫」
...実際はのんきでおっとりした町娘だ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「同一事件」
...おっとり刀の近侍の武士たち...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...おっとりしたお柳の美しさには比べられないにしても...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...とても小火までは手がまわりませんや」「江戸の御用聞はおっとりしているというが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...おっとりしているようで実はあれでなかなか烈しいんだから...
久生十蘭 「魔都」
...放っておけば一日でもご飯を食べずにおっとりと坐っている...
久生十蘭 「黄泉から」
...こちらは おっとりウサギ...
おおくぼゆう やく 「ごくあくウサギのものがたり」
...その晩病癒えた源次郎が押取刀(おっとりがたな)で因縁を付けに乗り込んできて後手を食うのはおもしろい...
正岡容 「我が圓朝研究」
...おっとりした里栄に好意を感じつつ...
宮本百合子 「高台寺」
...おっとりしたりっぱな人で...
柳田国男 「故郷七十年」
...おっとり坐っているだけで...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...しもぶくれのおっとりした顔だちで...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
...至極おっとり構えていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...聳ゆるというよりいかにもおっとりと双方に大きな尾を引いて静かに鎮座しているのである...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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