...ことに可笑(おか)しいのは、全く無学文盲の徒に限って、この世の学問にあこがれ、「あの、鴎外先生のおっしゃいますることには、」などと、おちょぼ口して、いつ鴎外から弟子(でし)のゆるしを得たのか、先生、先生を連発し、「勉強いたして居ります...
太宰治 「女の決闘」
...とおちょぼ口して二度くりかえして読みあげた時には...
太宰治 「新ハムレット」
...おちょぼ口を装うこともできるし...
太宰治 「もの思う葦」
...鏡の中の顔へ接吻(せっぷん)しそうなおちょぼ口をした...
谷崎潤一郎 「細雪」
...これを用いていれば、一生、大病もせず、長生きします」栄西(えいさい)禅師の『喫茶養生記』にあるようなことを、芝居の老女のセリフみたいに、おちょぼ口で、訓戒してくれた...
野村胡堂 「胡堂百話」
...薄めた清酒をつけて嘗(な)めさせるとおちょぼ口をした...
長谷川時雨 「木魚の配偶」
...おちょぼ口が、いまにも噴飯(ふきだ)しそうに歪んでいた...
林不忘 「あの顔」
...おちょぼ口が、微笑にゆがんでいた...
林不忘 「あの顔」
...ぽってりと肉のついた、おちょぼ口をし、かわいいくらいの青年だ...
久生十蘭 「あなたも私も」
...ぽってりと肉のついたおちょぼ口をして...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...おちょぼ口をひき緊めた...
山本周五郎 「菊千代抄」
...まる顔でおちょぼ口で...
山本周五郎 「半之助祝言」
...おちょぼ口で、眼が細く、眉毛のやや尻下りな顔つきは、下町育ちというより、どこかの田舎の大地主の娘といったふうな、やぼったさとおちつきが感じられた...
山本周五郎 「風流太平記」
...「どれか一つ字が違っていやあしないか」かよはおちょぼ口をひき緊め...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...まるぽちゃの、色こそ青いけれども、片眼がちょいと藪睨(やぶにら)みで、おちょぼ口で、体じゅうにいろけが溢れている感じだ...
山本周五郎 「ゆうれい貸屋」
...細く波打つ眼とおちょぼ口との間にありありと見えすいているものであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...おちょぼ口をつぼめて...
吉川英治 「神州天馬侠」
...おちょぼ口をつぼめて言った...
吉川英治 「新・水滸伝」
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