...佐平治がおしずめもうしあげるまで...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...それゆえもしおしずさんがお遊さんの妹でなかったら問題にならなんだかも知れませぬがお遊さんの妹であるゆえにお遊さんとおなじ血がその体の中にかよっておりますゆえに父はおしずさんも好きだったのでござります...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...それはそういうつもりで貰(もら)ったのでは第一おしずさんにすまなくもある...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...父はおしずにそれはそなたの思いすごしというものだからと...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...しかしあるとき吉野へ花見にまいりましたせつに晩にやどやへつきましてからお遊さんが乳が張ってきたといっておしずに乳をすわせたことがござりました...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...そうするうちにはもののはずみでお互の胸のおもいがかよい心と心とが触れあうおりもあるであろうという親切がこもっていたのかも知れませぬので何かおしずは二人のあいだにそういうはずみが起りますのを...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...父はそれを知らずにいましてお遊さんにあいましたら父を見るなり顔をそむけてなみだをかくしましたのでめったにないことでござりますから何かあったのかとおしずにききましたら姉さんはもう知っていますというのでござりました...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...たぶんおしずはもう打ちあけてもよい時機が来た...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...父の腹のなかを申しましたらおしずをおいてまいりますのは義理がわるうござりますしそうかといって三人で死にますのはいやだったのでござります...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...居間でしんとおしずまりになっていた...
久生十蘭 「だいこん」
...手先を押し当てた五助――「ええ! おしずまりなさい――どうしても...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...思い当ったことがあるかのように、身をこわばらせて、丁度(ちょうど)唐櫃のそばにかがやいている大燭台の光りをたよりに、もう一度、見込んだが――「あッ! これは! これは、浪! 浪路ではないか――」さすがに、声が、つッ走しって、その場にヘタヘタとすわってしまいそうな身を、やっと、ぐっと踏み止めて、「これは、浪路だな!」今は、汚れをいとうひまもなく、延べのきせるを投げ捨てて、掛(か)け衣(ぎぬ)をつかんで、投げ捨てると、両手で、死骸の首を抱き上げるように――「まぎれもない、浪路! ま、何で、このような、浅間しいことに――」と、うめいたが、闇太郎を、食い入るような目で、グッとねめつけて、「申せ! いかなれば、この品を、手には入れたぞ! 申せ! 申しわけ暗いにおいては、きさま、その場は立たせぬ」「御隠居さま、やっぱし世の中は、廻り合せというようなものがござんすねえ――このお方さまと、あっしとは、何のゆかりもねえお方――そのお方が、たった昨夜、息を引き取るつい前に、あっしと行き合ったのでござんすが、あなたさんの御縁の方とわかって見りゃあ、見すごしもならず、死に水は、このいやしい手で取ってさし上げましたよ――御臨終(ごりんじゅう)は、おしずかで、死んでゆきなされるのを却(かえ)ってよろこんでおいでだったようで、あの分では未来は極楽――そこは、御安心なすって下せえまし――」三斎隠居は、この闇太郎の物語が、耳に入るか入らぬか、ただ、ジーッとわが子のなきがらを、みつめつづけるのみだった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...院は非常に悲しい気持ちをしいておしずめになって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...おしずかにお越しくださいませ...
室生犀星 「津の国人」
...「手向いするか」「おしずまり下さい」綱宗は「おのれ」と云って足をあげた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...どうか心をおしずめ下さい」「放せ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...おしずまりなされ...
吉川英治 「私本太平記」
...これはたれのさしずか?」「おしずまりなされ...
吉川英治 「私本太平記」
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