...そう云う臆病(おくびょう)ものを崇(あが)める宗旨(しゅうし)に何の取柄(とりえ)がございましょう? またそう云う臆病ものの流れを汲(く)んだあなたとなれば...
芥川龍之介 「おしの」
...私も沼南もYの名は一度でも(おくび)にも出さなかった...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...見かけに似合(にあ)わず臆病(おくびょう)だね...
海野十三 「金属人間」
...この正月頃から臆病(おくびょう)な大学生山名国太郎にすっかり魂を打ち込んでしまったのだから――...
海野十三 「白蛇の死」
...自分のおくびょうを笑ってやりたいような気持ちになって...
江戸川乱歩 「大金塊」
...おくびょうもののノロちゃんの顔も見えます...
江戸川乱歩 「鉄人Q」
...臆病(おくびょう)なのです...
太宰治 「新ハムレット」
...(おくび)にも出しゃしなかったの...
徳田秋声 「爛」
...時々は目をつぶって遠慮なく(おくび)をした後(のち)...
永井荷風 「すみだ川」
...臆気(おくびょう)な奴が...
中里介山 「大菩薩峠」
...すでに今日から着手しようとおくびにも言い出したところを以て見れば...
中里介山 「大菩薩峠」
...強請(ゆすり)がましい様子は噫(おくび)にも出さなかった...
夏目漱石 「道草」
...思ひの外臆病(おくびやう)で人が良ささうでもあります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...変に臆病(おくびょう)になってしまって僕は何度か大名風(だいみょうふう)な門前を行ったり来たりしたが...
林芙美子 「魚の序文」
...油っくさいおくびが...
古川緑波 「下司味礼讃」
...吾輩が記憶している範囲で話しておくかね」「ドウカそうして下さい」「……ウーイ……」と正木博士は曖気(おくび)をしながら反(そ)り返った...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...おくびにも語つたことはないが...
吉川英治 「折々の記」
...おくびにも洩らしは致しません」「そう秘密にせんでもよろしい...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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