...鴎外の気質はおおよそ呑込(のみこ)んでるから...
内田魯庵 「鴎外博士の追憶」
...私はおおよそ、その写真というのは先日夫の日記帳に貼ってあったあれと同じものなのであろう、そしてそれは、やはり想像した通り私の浅ましい姿を撮ったものなのであろう、ということまでは察しがついた...
谷崎潤一郎 「鍵」
...一人の青年がおおよそ五六十ヤードばかり離れた視界の内を通り過ぎる修道僧たちの穢(きたな)らしい行列に敬意を表するために雨中に跪(ひざまず)かなかったからといって...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...羽織をさかさまに着たりしていてもおおよその見当がつく場合が多い...
寺田寅彦 「自由画稿」
...僕はおおよそのところで...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「曲れる者」
...おおよそ筋はわかっているんだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...おおよそ種子が尽きてしまう...
中里介山 「大菩薩峠」
...引きつづいて米友が言うことには、「てえげえの人は、この目で見る世界のほかに世界はねえんだ、目でめえるもののほかにこの目で見(め)えねえものはめえねえんだ、ところが、弁信さんときちゃあ、眼がなくっても物がめえるんだから違わあな、それから、おおよその人は、この耳で物を聞くほかには聞けねえんだ、耳で聞けねえ音というものはありゃあしねえやな、ところが弁信さんときた日にぁ、耳がなくったって物が聞えるんだから大したものさ――弁信さんに逢っちゃあ敵(かな)わねえ」とあっさり米友が甲(かぶと)を脱いだのは、この怖るべきお喋(しゃべ)りの洪水にかかっては受けきれないからしての予防線ではないのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...大凡(おおよそ)のありようを喋ったんです」「ふむ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...応仁の乱にはじまった大暗黒時代がおおよそ百年あまりもつづいているが...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...おおよそ千人ほども流れこんでいる...
久生十蘭 「奥の海」
...おおよそ考えたって...
久生十蘭 「予言」
...事の成行きをおおよそのところまで洞察してしまった...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...おおよそ千ほどもしました...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...おおよその予想はついていた...
本庄陸男 「石狩川」
...問答の意味をおおよそ解した...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...もうおおよそ目安が立っている...
柳田國男 「地名の研究」
...行く先はおおよそきまっている...
柳田国男 「木綿以前の事」
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