...君もおおよそは知ってるとおり...
伊藤左千夫 「去年」
...女の身としておおよそ他の師匠連との振り合いもあるべきに自ら恃(じ)することすこぶる高く一流の検校と同等の額を要求して譲(ゆず)らなかった...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...おからだの様子がおおよそ分っておりますので...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...舌で舐めたり後脚(あとあし)で掻いたりする気持ちはおおよそ想像してみることができても尻尾の振りごこちや曲げごこちは夢想することもできない...
寺田寅彦 「柿の種」
...それが首筋に這い下りて人の感覚を刺戟するまでにおおよそどのくらいからどのくらいまでの時間が経過するものかというのであった...
寺田寅彦 「さまよえるユダヤ人の手記より」
...おおよその見当はわかるだろうと思います...
寺田寅彦 「茶わんの湯」
...おおよそ想像が出来る...
寺田寅彦 「鑢屑」
...しかし有効にやるためにはおおよその井戸水の分量を見積ってその上で投入の分量を加減しなければならない...
寺田寅彦 「流言蜚語」
...おおよその見当を附けてさえ笑われることを恐れるほどに...
中里介山 「大菩薩峠」
...おおよその方向と...
中里介山 「大菩薩峠」
...おおよその見当をつけるに骨は折れません...
中里介山 「大菩薩峠」
...引きつづいて米友が言うことには、「てえげえの人は、この目で見る世界のほかに世界はねえんだ、目でめえるもののほかにこの目で見(め)えねえものはめえねえんだ、ところが、弁信さんときちゃあ、眼がなくっても物がめえるんだから違わあな、それから、おおよその人は、この耳で物を聞くほかには聞けねえんだ、耳で聞けねえ音というものはありゃあしねえやな、ところが弁信さんときた日にぁ、耳がなくったって物が聞えるんだから大したものさ――弁信さんに逢っちゃあ敵(かな)わねえ」とあっさり米友が甲(かぶと)を脱いだのは、この怖るべきお喋(しゃべ)りの洪水にかかっては受けきれないからしての予防線ではないのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...おおよそ一番みにくい...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...彼の人が今年はどの位困ったかは大凡(おおよそ)分って居るのだから...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...干支と年齢のおおよそとが書してあって...
森鴎外 「渋江抽斎」
...そのためにおおよその数字も明らかになった...
柳田国男 「海上の道」
...とりわけ山中に多いことを注意していたがいかに砂鉄の分布でもおおよそ限りのあるものであろうから...
柳田國男 「地名の研究」
...今日からでもおおよそ推測することができるのである...
柳田国男 「木綿以前の事」
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