...小さな靨(えくぼ)をよせて...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...十一辰子(たつこ)は蒼白い頬(ほお)に片靨(かたえくぼ)を寄せたまま...
芥川龍之介 「路上」
...しかも靨(えくぼ)のはいった白い指...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...指のつけ根にえくぼの浮んだ手を...
高見順 「いやな感じ」
...溶けんばかりの靨(えくぼ)を泛(うか)べながら私の方を見上げました...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...両の頬には靨(えくぼ)があった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「可愛い女」
...両頬に少し縦に長い靨笑(えくぼ)を刻みながら...
近松秋江 「うつり香」
...魚釣幾度か釣り損ねてようやく得たる一尾に笑靨(えくぼ)傾くる少年帰ってオッカサンに何をはなすか...
寺田寅彦 「半日ある記」
...その頬の笑靨(えくぼ)は笑っていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...男は怪しき靨(えくぼ)のなかに捲(ま)き込まれたままちょっと途方に暮れている...
夏目漱石 「虞美人草」
...嫂はそれでも淋(さみ)しい頬に片靨(かたえくぼ)を寄せて見せた...
夏目漱石 「行人」
...靨(えくぼ)に寄ろうか崩れようかと迷う姿で...
夏目漱石 「行人」
...傾けた頬にトロリとえくぼが出来て...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...錦子の両の頬のえくぼを...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...靨(えくぼ)を売って活計する色子野郎ばかりに眼を曝(さら)した僻論(へきろん)じゃ...
南方熊楠 「十二支考」
...上唇の小さな黒子(ほくろ)が片頬の靨(えくぼ)とよく調和をとって動くのが心に残る表情だった...
横光利一 「旅愁」
...盗(ぬす)ッ人(と)にありそうもない笑靨(えくぼ)を見せて...
吉川英治 「治郎吉格子」
...小次郎は笑靨(えくぼ)をこしらえてそれを眺めた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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