...うん安藤(あんどう)かといったきり...
伊藤左千夫 「箸」
...村へ帰れるのは何日のことになるか分らない”そういったじゃないか」「うん...
海野十三 「火星探険」
...うんと恩に着ますよ」「まあ...
海野十三 「蠅男」
...そんなものは主人がなかなか「諾(うん)」と言ひさうになかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...若し私が此の胸中の氤(いんうん)を言葉によって吐き出す事をしなかったら...
高村光太郎 「自分と詩との関係」
...あれだけのことを踏まえて行こうというんだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...おいらのあげたてんぷらを食うんだぞ...
中里介山 「大菩薩峠」
...うんと金持になりました」「婆さんうまくやったね」茂太郎も席の興に乗出して来ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...うんうん汗を流しながら歩き出したのです...
夏目漱石 「こころ」
...取りつきどころもないが――実は僕も教頭として君のためを思うから云うんだが...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...」「ほかの者が行つちやいけない?」「ううん...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...うんざりするほどきかされてゐた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...あの村長をうまく取つちめてやらうと思ふんだが?」「村長を?」「うん...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...」「うん、僕、いいけど……...
北條民雄 「道化芝居」
...どこがどんな風に人民戦線と言った事でも無いと言うんですね? それでいて...
三好十郎 「好日」
...すなわち繁昌する家だけはうんと大きくなって一門を殖(ふ)やし...
柳田国男 「木綿以前の事」
...使うお金の桁がちがうんですもの」私は...
山川方夫 「愛のごとく」
...「先生がまずそんなふうにしっぺ返しをくらわせて、おれの出鼻をひっ叩くだろうとは、証人たちもいっていたよ、だがな先生、みんなが現に見ているんだ」と治助はいった、「おはつのやつがこのうちの裏からもぐりこんだうえ、一時間ぐらいするとこそこそ出て来て、頭の毛かなんかいじりながら、こそこそ帰ってゆくところをよ、え、先生、これでも知らねえっていい張る気かえ」「待ちたまえ、まあ待ちたまえ」先生は顎髯を撫(な)でた、「――そうか、うん、そういうことか、なるほどありそうだな」「なにがなるほどだ」「これはだな、治助くん」と先生はおちついていった、「証人が見たとか見ないとかという問題じゃなく、当人のおはちさん」「おはつだといったろうが」「その人にだ、いいかね」先生は切札を出すような口ぶりでいった、「その本人に来てもらえば黒白がはっきりする、ということじゃないかな、ぼくはそれがもっとも簡単明瞭な収拾策だと思うがどうだろう」「だからその本人を返してくれっていってるんだよ、先生」「返してくれって、ぼくがおはちさんをどうかしてでもいるっていうのかね」「いうのかねったって」治助はじれったそうに頭の毛を掻(か)きむしった、「おれはね、こんにち唯今ここへ来たわけじゃねえんだよ、おはちの、いや、おはつのやつのようすがおかしいと気がついたのは二た月もめえのことで、おれとしちゃあじっくり思案した、おれは眠れるかな、と幾十たびも考えてみたが、おれは眠れねえようなことはなかった、けれどもおかしいなと気がついたこともたしかで、おれが眠れねえようなことがないにしろ」「まあきみ、治助くん」と先生が制止した、「話を簡単にしようじゃないか、え、きみがいうのはおはちさんを返せということだろう、ぼくはまたぼくで、おはちさんを」「おはつだってばな」「その人を伴れて来れば簡単明瞭だといってるんだ、え、だからその本人をここへ伴れて来るのがいちばん先のことじゃないか」「先生はおれの頭をどうにかしようっていうんだな」「きみの頭をどうするんだ」先生はついに声を尖(とが)らせた、「きみのいう本人はきみの妻だろう、自分の妻のふしだらをぼくのところへねじこむのなら、その本人である妻をだ、亭主であるきみが伴れて来るのは当然じゃないか、そうじゃないか治助くん」この問題が中心議題の周囲をからまわりしていることは、断わるまでもない...
山本周五郎 「季節のない街」
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