...うわべとは大(たい)へんに異(ちが)い...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...で貴公(あなた)方は?」これは上辺(うわべ)の挨拶に過ぎぬのである...
李光洙 「愛か」
...「それが、ねえ、先生、商売ですもの」「そりゃア、御もっともで」「で、御承知でしょうが、青木という人の話もあって、きょう、もう、じきに来て、いよいよの決着が分るんでございますが、それが定(き)まらないと、第一、この子のからだが抜けませんから、ねえ」「そうですとも、私の方の問題は役者になればいいので、吉弥さんがその青木という人と以後も関係があろうと、なかろうと、それは問うところはないのです」と、僕の言葉は、まだ金の問題には接近していなかっただけに、うわべだけは、とにかく、綺麗なものであった...
岩野泡鳴 「耽溺」
...うわべに落ち着きを見せなければならないと思いながら...
ストックトン Francis Richard Stockton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...うわべは春の如(ごと)く...
太宰治 「新釈諸国噺」
...表(うわべ)はあまりけば/\しくなくつて...
田山録弥 「小説新論」
...彼が上辺(うわべ)を偽る方便...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...江戸へ帰ったということだ」「そいつは表面(うわべ)のことなんだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...御前は甲府お勝手へお廻りになったと聞いたが……」表向(うわべ)は鄭重(ていちょう)に迎えたこの茶屋の内儀が...
中里介山 「大菩薩峠」
...上部(うわべ)だけは教師のおれよりよっぽどえらく見える...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...上部(うわべ)はわざと高く出た...
夏目漱石 「明暗」
...両足は舳のせまい上縁(うわべり)にしっかり踏んばり...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「メールストロムの旋渦」
...なぜそういううわべなどにあえてこだわるのか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...たいていはうわべだけにしろ...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...女は大昔から男に対する必要上幾分誰も矯飾(きょうしょく)の性を養うて表面(うわべ)を装う事になっております...
与謝野晶子 「産屋物語」
...それは表前(うわべ)の事...
吉川英治 「江戸三国志」
...「道々しくうるはしきは皆いつはれる上面(うわべ)のことにて...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...囚われたる上面(うわべ)を離れて人性の奥底の方向に帰ることを意味する...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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