...少(すくな)くとも表面(うわべ)には大(たい)そう幸福(こうふく)らしい生活(せいかつ)を送(おく)っていました...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...うわべは何気なく...
太宰治 「ヴィヨンの妻」
...うわべは何気なさそうに立ち働き...
太宰治 「新釈諸国噺」
...彼が上辺(うわべ)を偽る方便...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...うわべはただ話が面白いような顔をしていました...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...江戸へ帰ったということだ」「そいつは表面(うわべ)のことなんだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...心から納得(なっとく)出来ないものを表面(うわべ)だけ諾(うべな)うことの出来ぬ性分だからだ...
中島敦 「弟子」
...上部(うわべ)はどこまでも派出に装(よそお)っている...
夏目漱石 「草枕」
...上部(うわべ)から見ると何の異状もない兄さんの心持は...
夏目漱石 「行人」
...何事も漫然と表面(うわべ)だけを眺めて喜んでおられるのだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...両足は舳のせまい上縁(うわべり)にしっかり踏んばり...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「メールストロムの旋渦」
...それはいつも表面(うわべ)にあるものだと僕は信じる...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...まず、じっと怺(こら)えて、存分に彼等を艱(なや)ます策を立てねばならぬ」「それは、わたくしも考えておりますものの、今宵、かの広海屋、長崎屋、二人を目の前に並べて見ましたゆえ、怺えかねて怺えかねて」「ふうむ、それで、待ち伏せしようといたしたか? が、一思いに仕止められたら、彼等はこよない幸福者――なぜ、今しばし浮世に生じ置いて、心の苦痛を嘗(な)めさせてやろうとはしないのじゃ?」一〇雪之丞が、うわべでは、うなずきながらも、心にはなお不承らしいのを、老いたる孤軒はなだめるように見て、「わしはいつぞや、八幡境内で、油断のう進めとはいうたが、しかし暴虎馮河(ぼうこひょうが)こそつつしむべきだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...そうした心を下に秘めて長い年月の間表面(うわべ)をあくまでも冷静に作っていたのであるかと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...しかし表面(うわべ)にはソンナ気振も見せないようにして...
夢野久作 「少女地獄」
...表面(うわべ)では尊敬して...
夢野久作 「暗黒公使」
...彼の何事もうわべに出さない性質と平常(ふだん)の修養とを強く示していた...
吉川英治 「松のや露八」
...囚われたる上面(うわべ)を離れて人性の奥底の方向に帰ることを意味する...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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