...少(すくな)くとも表面(うわべ)には大(たい)そう幸福(こうふく)らしい生活(せいかつ)を送(おく)っていました...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...そのくせ表面(うわべ)では事務長の存在をすら気が付かないように振る舞った...
有島武郎 「或る女」
...表面(うわべ)には十人並みな生活を生活していながら...
有島武郎 「小さき者へ」
...うわべ許りで騒いでいる様じゃ...
伊藤左千夫 「家庭小言」
...彼女のうわべの姿からその内奥の相にいたるまで...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...いつも自分から視線をはずしておろおろしているヨシ子を見ると、こいつは全く警戒を知らぬ女だったから、あの商人といちどだけでは無かったのではなかろうか、また、堀木は? いや、或いは自分の知らない人とも? と疑惑は疑惑を生み、さりとて思い切ってそれを問い正す勇気も無く、れいの不安と恐怖にのたうち廻る思いで、ただ焼酎を飲んで酔っては、わずかに卑屈な誘導訊問(じんもん)みたいなものをおっかなびっくり試み、内心おろかしく一喜一憂し、うわべは、やたらにお道化て、そうして、それから、ヨシ子にいまわしい地獄の愛撫(あいぶ)を加え、泥のように眠りこけるのでした...
太宰治 「人間失格」
...うわべは別にガッカリしたような様子もなければ...
谷崎潤一郎 「細雪」
...彼が上辺(うわべ)を偽る方便...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...自分の懦弱さや精神(モラル)の貧窮を押し匿し表面(うわべ)を繕いたいばかりにね...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...内心はともかく、うわべでは、無邪気なお芝居が出来るので、私は思わず頬笑みました...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...うわべばかりの友だちから...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「表面(うわべ)は癒ったようでも...
豊島与志雄 「変な男」
...江戸へ帰ったということだ」「そいつは表面(うわべ)のことなんだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...御前は甲府お勝手へお廻りになったと聞いたが……」表向(うわべ)は鄭重(ていちょう)に迎えたこの茶屋の内儀が...
中里介山 「大菩薩峠」
...お前は上辺(うわべ)で以前(もと)の通り...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...両足は舳のせまい上縁(うわべり)にしっかり踏んばり...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「メールストロムの旋渦」
...水陸のけじめは表辺(うわべ)のみで...
柳田国男 「海上の道」
...世は定まったようにうわべは見ゆるが...
吉川英治 「親鸞」
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