...末の松山波も越えなむや波も越えなむうろ覚えに覚えた歌の声は...
芥川龍之介 「偸盗」
...葉子はよくどこかでうろ覚えにしたクレオパトラの插話(そうわ)を思い出していた...
有島武郎 「或る女」
...うろ覚えの独言(ひとりごと)を言ってね...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...たいてい私のうろ覚えと聞きかじりと臆測によつて書くのであるから...
宇野浩二 「思ひ出すままに」
...うろ覚えなら知っているんですか」検事は急迫した...
海野十三 「地獄の使者」
...その顔はうろ覚えだったが...
江戸川乱歩 「影男」
...うろ覚えの新知識を...
太宰治 「思案の敗北」
...一郎の素朴な感嘆と共に、私にも新しく蘇った感動があり、思わず口を開いて大声に歌うと言うより呶鳴った歌が、「箱根の山は、天下の険、函谷関もものならず」それから暫く考えていて、うろ覚えに、「千仭の谷、万丈の崖」とやったが、後はまるで出て来ない...
田中英光 「箱根の山」
...うろ覚えの南部ヘレス産の黄葡萄酒・北部リオハ産の赤葡萄酒なんかと...
谷譲次 「踊る地平線」
...その軍治が兄の歌をうろ覚えに声だけは高く唱ひながら...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...うろ覚えの河沿ひの道を歩いて行つた...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...うろ覚えにしておいて...
中里介山 「大菩薩峠」
...そういえばこの入口が何だかうろ覚えのあるような道だ...
中里介山 「大菩薩峠」
...うろ覚えが興に乗じて...
中里介山 「大菩薩峠」
...こちらもほんのうろ覚えで...
山本周五郎 「いさましい話」
...うろ覚えだからね」玄一郎はこう云って笛をしまいにかかった...
山本周五郎 「いさましい話」
...繁次はその二人をうろ覚えに覚えていたので...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...うろ覚えなお経(きょう)をとなえた...
吉川英治 「新・水滸伝」
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