...すると僕の(まぶた)の裏に銀色の羽根を鱗(うろこ)のやうに畳んだ翼が一つ見えはじめた...
芥川龍之介 「歯車」
...ヒラリと銀色の鰭(うろこ)が波間に躍つた...
石川啄木 「鳥影」
...鱗(うろこ)一枚...
泉鏡花 「海神別荘」
...魚の形さながらにして金色の花びらとも見まがうこまかき鱗(うろこ)すきまなく並び...
太宰治 「新釈諸国噺」
...それはたいへんうつくしいうろこ雲であつた...
立原道造 「夜に就て」
...伝馬町の鱗屋(うろこや)という古本屋の前へブラリとやって来て...
中里介山 「大菩薩峠」
...その或ものは水の色を離れない蒼(あお)い光を鱗(うろこ)に帯びて...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...紋は三つ鱗(うろこ)...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鱗(うろこ)をきらめかせてはおよぎ...
火野葦平 「人魚」
...不忍(しのばず)の池水は大魚の鱗(うろこ)かなぞのように燦(きら)めく...
二葉亭四迷 「浮雲」
...明日は氏神(うじがみ)のお祭ぢやといふので女が出刃庖刀を荒砥(あらと)にかけて聊(いささ)か買ふてある鯛(たい)の鱗(うろこ)を引いたり腹綿(はらわた)をつかみ出したりする様は思ひ出して見るほど面白い...
正岡子規 「墨汁一滴」
...四隅(よすみ)に附いてゐる鱗形(うろこがた)の装飾も...
森鴎外 「金貨」
...ぬれぬれと鱗(うろこ)を光らせてうち重なっている...
山本周五郎 「日本婦道記」
...森の柏の静まった葉波は一斉に濡れた銀の鱗(うろこ)のように輝き出した...
横光利一 「日輪」
...市川家の紋の三ツ鱗(うろこ)だし...
吉川英治 「大岡越前」
...身には鱗(うろこ)が生えているとか聞きます...
吉川英治 「三国志」
...――三ツ鱗(うろこ)の大紋打った素襖(すおう)...
吉川英治 「私本太平記」
...もとより金色(こんじき)の鱗(うろこ)をもった魚なのではない...
吉川英治 「新・水滸伝」
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