...すると僕の(まぶた)の裏に銀色の羽根を鱗(うろこ)のように畳んだ翼が一つ見えはじめた...
芥川竜之介 「歯車」
...魚の鱗(うろこ)などは何でもなかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...水におる諸(もろもろ)の物の中是(うちかく)のごとき者を汝ら食(くら)うべし即ち凡て翅(ひれ)と鱗(うろこ)のある者は皆汝ら之を食(くら)うべし...
太宰治 「正義と微笑」
...うむ」「角が二本……雪の膚(はだえ)にはみるみる鱗(うろこ)が生えて...
中里介山 「大菩薩峠」
...鱗(うろこ)まで呑(の)み込んでしまった...
中谷宇吉郎 「由布院行」
...鱗(うろこ)のかたに研(みが)きをかけた松の皮をそのまま用いて...
夏目漱石 「草枕」
...その紋尽しを書いている時だ」「そりゃ……」「ちょうどその丸に三(み)つ鱗(うろこ)を描(か)いてる時だ...
夏目漱石 「虞美人草」
...紋は三つ鱗(うろこ)...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ベットリ銀色の鱗(うろこ)が生えて居たということです...
野村胡堂 「焔の中に歌う」
...三がげためでもありうろこでもあるのと同じことである...
長谷川伸 「奇術考案業」
...鱗(うろこ)まびれになった若い男達が...
林芙美子 「風琴と魚の町」
...きみも目からうろこが落ちたことだろう...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...同(おな)じ鱗(うろこ)の友達(ともだち)が云(い)つた...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...雄は鬣(たてがみ)尖り鱗(うろこ)密に上(かみ)壮(ふと)く下(しも)殺(そ)ぐ...
南方熊楠 「十二支考」
...龍があの黒雲にのって口をかっとひらいて火をふく所なんかはたまらなくいいけどもマアただの蛇がまっさおにうろこを光らして口から赤い舌をペロリペロリと出す事なんかもあたしゃだいすきさ...
宮本百合子 「お女郎蜘蛛」
...我々の槍はそれに当るとはね返った」(これは我々の祖先が大いに使いなれていた鱗(うろこ)あみの鎧のことである)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...鱗(うろこ)を毛髪に……といった順序に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...魚の鱗(うろこ)が...
吉川英治 「宮本武蔵」
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