...主(ぬし)がの血筋を岩田が跡に入れてもらいたいいうてな」また彼れの方を向いて...
有島武郎 「カインの末裔」
...なにいうてなはんね...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...「自動車云うてないのんなら...
谷崎潤一郎 「細雪」
...そないした方が家空(あ)けるのんにも工合ええさかいいうてなさったのんですが...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...しみじみ口惜しゅうてならんわ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...相槌(あいづち)のうてない吉次にかわって大石先生は答えた...
壺井栄 「二十四の瞳」
...ずっと好(よ)い男(をとこ)ぢゃと言(い)うてな...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...蓮のうてなに坐すような清浄な心境を覚ゆる...
豊島与志雄 「蓮」
...非常手段を取ってもよいと思うてな――」西郷は...
直木三十五 「南国太平記」
......
永井荷風 「向嶋」
...弁(はなびら)の尽くる萼(うてな)のあたりから...
夏目漱石 「虞美人草」
...「腹が固うなるほど、食うちょれ、まんまさえ食うちょりゃ、心配なか」「のう――おッ母さん! 階下のおばさんたち、飯食うちょるじゃろか?」「どうして? 食うちょらな動けんがの」「ほんでも、昨夜な、便所へはいっちょったら、おじさんが、おばさんに、俥も持って行かせ、俺(おれ)はこのまま死んだ方がまし、云うてな、泣きよんなはった」「ほうかや! あの俥も金貸しにばし、取られなはったとじゃろ」「親類は、あっとじゃろか、飯食いなはるとこ、見たことなか」「そぎゃんこツ云うもんじゃなかッ、階下のおじさんな、若い時船へ乗りよんなはって、機械で足ば折んなはったとオ、誰っちゃ見てくれんけん、おばさんが昆布巻きするきりで、食うて行きなはるとだい、可哀(かわい)そうだろうがや」「警察へ行っても駄目(だめ)かや?」「誰もそんな事知らんと云うて、皆(みな)、笑いまくるぞ」「そんでも、悪いこつすれば怒るだろう?」「誰がや?」「人の足折って、知らん顔しちょるもんがよオ」「金を持っちょるけに、かなわんたい」「階下のおじさんな、馬鹿たれか?」「何ば云よっとか!」父は風琴と弁当を持って、一日中、「オイチニイ オイチニイ」と、町を流して薬を売って歩いた...
林芙美子 「風琴と魚の町」
...歯がゆうてならん...
火野葦平 「糞尿譚」
...決して好(よ)き事にはあらざるべきを思うてなり...
福田英子 「母となる」
...次男でもあるしするからどこぞへ行きたいと云うてなさるが...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...それが日を趁うてななえに「遠のかれる」いやな感じをあたへた...
室生犀星 「渚」
...「柳沢屋というてな...
吉川英治 「江戸三国志」
...ここらはもう名うてな梁山泊に近いので...
吉川英治 「新・水滸伝」
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