...よれよれてのぼる火繩(ひなは)の秋をうつろにする...
大手拓次 「藍色の蟇」
...うつろから うつろへとはこばれる焦心(せうしん)のながしめ...
大手拓次 「藍色の蟇」
...ぽうと云ふ空洞(うつろ)な汽笛(きてき)の音が響いて...
徳田秋聲 「或売笑婦の話」
...空洞(うつろ)のような大の男たちの泣き声であった...
徳永直 「戦争雑記」
...電燈のとぼるを待ちつわれは今 わが心の洞(うつろ)を眺む...
富永太郎 「画家の午後」
...その洞(うつろ)の下を五寸ばかり掘ってみてくれ...
中里介山 「大菩薩峠」
...小さい太郎の胸には悲しみが空のようにひろくふかくうつろにひろがりました...
新美南吉 「小さい太郎の悲しみ」
...この章にうつろうとして...
長谷川時雨 「最初の外国保険詐欺」
...空虚(うつろ)な...
堀辰雄 「プルウストの文體について」
...私はその簾の中に自分の立てた笑いがいつまでも空虚(うつろ)にひびいているような気もちになったほどだった...
堀辰雄 「ほととぎす」
...魂がもはや空虚(うつろ)になったような気持ちであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...我々の精神の好奇心にああいう肉のついていない・うつろな骨片をかみしゃぶらせることによってこれをはぐらかすため...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...うつろな眼のまま黙り込んだ...
横光利一 「旅愁」
...旅の日のうつろいに気持ちを転じるのも...
横光利一 「旅愁」
...その洞(うつろ)のやうな咆哮を立ててゐるかと思ふと...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...盛り場の裏町をうつろに歩いている二人だった...
吉川英治 「大岡越前」
...無言な緊張とうつろとが...
吉川英治 「私本太平記」
...その頑固な心の井戸はつねに冷たい空虚(うつろ)をいだき...
吉川英治 「宮本武蔵」
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