...まるで大きな洞(うつろ)の口のように暗く開いて居るので...
岩本素白 「六日月」
...こゝ虚(うつろ)なる無聲境(むせいきやう)...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...アハハハハハハ』私の声はうつろのように響きました...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...うつろのようになってしまいました...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「妖影」
...うつろのやうな肉体を火燵のぬくさにつゝんで読書...
種田山頭火 「其中日記」
...あたかもかっかと燃えている炉火の軽躁さとうつろいやすさとに自分の荘重さと寿命の永さとを競(きそ)わせるかのように...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...空洞(うつろ)な笑い声を立てたが...
徳田秋声 「仮装人物」
...空洞(うつろ)のような大の男たちの泣き声であった...
徳永直 「戦争雑記」
...モリイシャからの合図で人々はカアルをもたげて樫のうつろの中に投げ入れた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...モリイシャはうつろの樫の樹の下にゆき...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...風に散ることは世の常枝ながらうつろふ花をただにしも見じ右の女房の大輔(たゆう)...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...空洞(うつろ)で暗い里の門から...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...いつまでも空洞(うつろ)な地獄へ連れ戻そうと...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...うつろになった眼で...
山本周五郎 「季節のない街」
...しかも変死をされたのです」「……エ……変死……」と私は空虚(うつろ)な声を出した...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...ですからその電話に出たボーイさんに頼んであすこの受話機を……ちょうど貴方の背後(うしろ)に在る木の空洞(うつろ)の中の卓上電話を外しっ放しにして受話機を貴方の方に向けておいてもらったのよ...
夢野久作 「二重心臓」
...わたしゃアまた、ゆうべのことがあったから、てっきり、捕手がお出(い)でかと思ったのさ」そして、市十郎の横顔を、ながし眼に見たが、市十郎は、凝然(ぎょうぜん)と、あらぬところへ眼をやったまま、うつろな身を、石のようにしていた...
吉川英治 「大岡越前」
...目のいろまでうつろであった...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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