...おかしと現(うつつ)にも思ったが...
泉鏡花 「悪獣篇」
...走馬燈のやうにつぎつぎに目にうつつては消えて行きます...
土田耕平 「のぞき眼鏡」
...かの現(うつつ)とこの夢と相共に人生の哀歌を奏するのみ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...夜通し彼女は夢現(ゆめうつつ)に見続けた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
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中谷宇吉郎 「赤倉」
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野口雨情 「雨情民謡百篇」
...半ば朽ち歪んだお堂の縁に腰を下して柱を背にうつつなく眠っていた彼自身を見出していた...
橋本五郎 「自殺を買う話」
...色濃く天井にうつつてゐる...
林芙美子 「暗い花」
...S町へうつつた當時...
林芙美子 「雪の町」
...見し夢の余波(なごり)もまだ現(うつつ)なきやうなるに...
樋口一葉 「あきあはせ」
...私はゆめうつつに...
堀辰雄 「麦藁帽子」
...泉にはどこまでも現(うつつ)に感じられて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ひと刻(とき)のゆめに、昼深いときのうつつにもお現れくださいませ、庭のさまよいにでも、厨(くりや)にはたらいているときにでもただそのひと言をお漏(も)らしくださいませ、声あらば声をとどかせ、たましいに生きのあるものなら、うつつに、ゆめに、そらごとのおもいに、早く早く、ひと刻も早くおしらせくださいませ、ああ、あなたは本統(ほんとう)に生きていられるのでございますか、生きていられるなればなぜにお文おつかわしくださらないのでございますか、わたくしのこの思い、この声、この嘆(なげ)き悲しみがとどいてゆかないのでしょうか、声よ、いのちよ、嘆きよ、早くあの方のもとに飛び立って行きわたくしの悲しみを知らせてたまれ、あせりにあせってどうにもならない焦燥のすべてを知らせてたまれ、人の一心のとどかずば止まざるものを今こそ知らせてたまれ...
室生犀星 「津の国人」
...ヘレネに現(うつつ)を抜かしたものは...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...鏡の一面毎に我々の顔とアルドラミンの死骸とが変つてうつつてゐる...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...または現川(うつつがわ)や...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...お前一人が杖柱(つえはしら)……なぞと夢うつつに申しておりますそうで...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...うつつはなかった...
吉川英治 「新・水滸伝」
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