...大寒に団扇(うちわ)を揮(ふる)ったりする痩(や)せ我慢の幸福ばかりである...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...親は左うちわで行けると申しますが...
岩野泡鳴 「耽溺」
...氏だけの内輪話(うちわばなし)では...
海野十三 「奇賊は支払う」
...また風を起こすためには団扇(うちわ)は扁平でなければならぬが...
丘浅次郎 「脳髄の進化」
...団扇(うちわ)を使いながら私に聞かせて下さったのですが...
太宰治 「誰も知らぬ」
...あっちこっちを明(あ)けっ放(ぱな)して顔の上に団扇(うちわ)をのせて...
田山花袋 「田舎教師」
...」国貞は歩いて来た暑さに頻(しきり)と団扇(うちわ)を使い初める...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...思う人には逢(あ)わぬがましだろ」と羽団扇(はうちわ)がまた動く...
夏目漱石 「一夜」
...あの女が団扇(うちわ)をかざして...
夏目漱石 「三四郎」
...美禰子は持っていた団扇(うちわ)を...
夏目漱石 「三四郎」
...憚(はゞ)かりの世(よ)の中(なか)打割(うちわ)りて見(み)れば...
樋口一葉 「曉月夜」
...その隙(すき)には爺いさんの傍(そば)に来て団扇(うちわ)であおぐ...
森鴎外 「じいさんばあさん」
...そのうちわたくしは『事実文編』四十五に霧渓(むけい)の撰んだ池田氏(し)行状のあるのを見出した...
森鴎外 「渋江抽斎」
...玩具のような団扇(うちわ)太鼓を持って...
山本周五郎 「季節のない街」
...汗になった栄二を団扇(うちわ)であおいだり...
山本周五郎 「さぶ」
...そんな筈はないんだが」「そうかねえ」半之助は団扇(うちわ)を取った...
山本周五郎 「山彦乙女」
...これはまったく内輪(うちわ)の客あつかいといっていい...
吉川英治 「新書太閤記」
...陸(おか)の付人(つけびと)バタバタと蒲焼を焼く煙の中で団扇(うちわ)をたたく音が板場でする...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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