...そのうそ寒い路の上には...
芥川龍之介 「東洋の秋」
...小林紋三はうそ寒いのを我慢して...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...ゆき/\て倒れるまでの道の草・酔ひざめの星がまたゝいてゐる(野宿)風が出てうそ寒い朝がやつてきた・夕寒の豚をひきずりまはし・すこし熱がある風の中を急ぐ跣足の子供らがお辞儀してくれた三日振に湯に入つて髯を剃つて一杯ひつかけた...
種田山頭火 「行乞記」
...秋がふかうなる――ソデナシを着てゐてもうそ寒い――雨が落葉をたゝいて虫がないてゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...もう穴へはいれ十一月七日うそ寒い風がふいて晴れてくる...
種田山頭火 「其中日記」
...としとったお母さん逝(い)ってはいけないとしとったお母さんこのままいってはいけない風にぎいぎいゆれる母子寮のかたすみ四畳半のがらんどうの部屋みかん箱の仏壇のまえたるんだ皮と筋だけの体をよこたえおもすぎるせんべい布団のなかで終日なにか呟(つぶや)いているお母さんうそ寒い日が西の方...
峠三吉 「原爆詩集」
...うそ寒いやうに見えました...
新美南吉 「疣」
...うそ寒いように見えました...
新美南吉 「いぼ」
...うそ寒い風に吹かれて立つてゐる一本の木のやうに...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...うそ寒いものが部屋に流れた...
橋本五郎 「自殺を買う話」
...うそ寒い陽気だつたのに...
林芙美子 「浮雲」
...そのうそ寒い哄笑(こうしょう)は...
火野葦平 「糞尿譚」
...あひにくうそ寒い曇日ではあつたが...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...うそ寒い潮風が吹き渡つて来た...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...どうかすると霰でも来さうなうそ寒い日和と一しよに...
室生犀星 「笛と太鼓」
...ふたたび総毛だつようなうそ寒いおぞましさが...
山川方夫 「菊」
...うそ寒い秋の風だけだった...
吉川英治 「私本太平記」
...一幹の松がうそ寒い晩秋の風に嘯(うそぶ)いていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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