...うそ寒い冬の黄昏(たそがれ)が白い窓掛(カーテン)の外に迫つて居て...
石川啄木 「病院の窓」
...妙にうそ寒い感じだった...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...また雨だ、うそ寒い、何だか陰惨である、しかし庵は物資豊富だ...
種田山頭火 「其中日記」
...今夜はうそ寒い、一杯やりたいな、ゼイタクをいふな!そのうちにいつしか眠つてしまつた...
種田山頭火 「其中日記」
...天龍川を前に向ふ岸へは日がさしてうそ寒い二三軒・屋根に石を...
種田山頭火 「旅日記」
...妙にうそ寒い氣持がして來た...
中島敦 「環礁」
...そのくせ、おかしなことに、ぬれそぼった画家のうしろ影が、重そうな足どりで、煙雨に消されてゆくのを見送っているうち、いつの間にやら、まるきりぼんやりしてしまったらしい俺は……どのくらいたってからか、急に、うそ寒いような、一種の寂寥感に襲われて、ハッとわれに帰った...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...うそ寒いからと早く繰る雨戸の外にまたばさりと音がする...
夏目漱石 「野分」
...うそ寒いように見えました...
新美南吉 「いぼ」
...うそ寒い風に吹かれて立つてゐる一本の木のやうに...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...うそ寒いものが部屋に流れた...
橋本五郎 「自殺を買う話」
...そのうそ寒い哄笑(こうしょう)は...
火野葦平 「糞尿譚」
...風鈴湯といふ聴くだに今季(いまどき)うそ寒い山峡の沸し温泉を目ざした...
牧野信一 「風流旅行」
...あひにくうそ寒い曇日ではあつたが...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...ふたたび総毛だつようなうそ寒いおぞましさが...
山川方夫 「菊」
...うそ寒い秋の風だけだった...
吉川英治 「私本太平記」
...うそ寒い秋の陽(ひ)は...
吉川英治 「新書太閤記」
...一幹の松がうそ寒い晩秋の風に嘯(うそぶ)いていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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